2011年6月21日火曜日

「そんなん忙しいて行けへん」と言う返事だったが


                            山城貞治(みなさんへの通信15)

 「すぐにもできる労働安全衛生九つの緊急提案  1997年10月18日」を出して、多くの反響があった。
 現在でも、繰り返し職場で、「九つの緊急提案」をみんなに知らせている職場がある。
 そのたびに、「いいこと言ってくれた。」「病院に行ったら早く来たらか、治りが早くなる言われた」との報告がある。
 もう何十年も前に知らせたのに、と思うけれど労働安全衛生は永くやらないといけないなあって話している教職員もいる。
 もちろん、「すぐにもできる労働安全衛生九つの緊急提案 」に対して反対意見もあったが、それは内容ではなかった。それは後で述べる。
 まず、二つの意見を知らせたい。

転勤した教職員が死亡したことがあったので……

 校長に何言うても聞かないから、あきらめる傾向があるけれど、労働安全衛生問題は他でできんことがあってもやらないと。
 転勤した教職員が死亡したことがあったので……

 いのちと健康の問題、労働安全衛生問題は職場に体制を作ってやらなあかん……と思うことがあっても、踏ん切りがついていないので今日はこんどこそとやって来た。
 養護教諭にも協力してもらったり、病気の人にも協力してもらったりしてやってゆきたい。

あんたたちが考えなさい わしゃしらん と校長

 数年前に喫煙問題に取り組んだ。職員室で愛煙家が喫煙しているので、管理職に「喫煙室を設けよ!」と言うたら、「あんたたちが考えなさい。わしゃしらん。」と言われて、ビニールで分煙室を作ったんです。
 でも風が吹くと煙は流れるし、漏れるし。
 のどが痛くなる人や鼻の悪い人がいて悩んでいることが分かった。
 そこで、最近喫煙者に呼びかけた。忙しかったけど、10人中3人が集ってくれた。
 「校長は換気扇をつけると言ってるけどどうしようか」と。

押しつけられた仕事と好きな仕事がゴッチャ

 愛煙家の要求もあるので……気持ちよく過ごせるように「分煙室を設けるように」と話し合いをすすめている。
「日本一の高校を」と校長が言う。
 教師も展示会に向けて、11時過ぎまで学校に残って仕事をしている。ケガをした人もいる。
 「押しつけられた仕事と好きな仕事がゴッチャ」になっている労働実態がある。
検査行ったらどうや と何度もすすめらてたのにとお母さん
                             
「そんなん忙しいて行けへん」と言う返事だったが

 ほぼ3週間前にうちの職場から現職死亡が1名でたんですけど……先日おまいりに行ったとき、お母さんが、こうおっしゃられました。

 「ちょうど1年前の10月。調子が悪いんや。いつもお酒を飲むのに、最近お酒がすすめへん。」

と言うので、お母さんが、
「検査行ったらどうや」

と何度もすすめらてたそうです。すると、

「そんなん忙しいて行けへん」

と言う返事だったそうです。 

学期末には戻ってきます と言ったのに
   それ以降教壇に立たれることはなかった


 結局、体調が悪くなってから3ヶ月ぐらいで検査されたんです。
 12月の期末考査が終わった時に
「明日からちょっと検査で入院しますけれど、学期末には戻ってきますので、あとよろしく頼みます」と。
 それ以降教壇に立たれることはなかった。
 検査の結果は進行性の癌。
 本人も告知されていて、その後たびたび職場に、顔をお見せになって現在の病状を話しておられました。

余命ないから子どもたちとすごす時間を と

 自分でも、余命あまりないということを実感されていて、その後休職に入られて……。
 家のことは奥さんにまかせっきりだったので……取り戻すということで3人のお子さんといろいろ話をしたり、出かけたりして……亡くなられた。

不注意論ではなく
 病院に行くひまがなかったのが実態 

クラブでも京都では上位でがんばってこられた先生だし、職場でも保健部長として先頭に立ってがんばった先生。

大切な 「ちょっと悪いなと思ったら医者にかかる」

 まず、提起されているように「ちょっと悪いなと思ったら医者にかかる」ということが大切。
 1年1回の健康診断があるが、1年1回では、ひっかからない、わからへん場合もある。
 私も医者に行っているけど医者は、
「半日やそこらでわからへんで。最低一泊して検査してもらわんと」
と言うことで検査をすすめられているけど、忙しくてなかなか行けない。
 身近なところで亡くなられた先生をみて、家族の悲しまられていることを見て……やはり、自分のいのち、家族のことを考えて割り切って病院に行かんと。

 最後に命を落とすことにつながることを痛感しました。

2011年6月20日月曜日

教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために第1次討議資料1997年8月」から「すぐにでもできる労働安全衛生九つの緊急提案」(1997年10月18日)へ




山城貞治(みなさんへの通信14)

「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料 1997年8月」への意見の一部を引続き再録するが、労働安全衛生対策委員会では、いくら論じていてはダメダ、至急みんなに提起しなければならないことがあると言うことに至った。
 そこで労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」に「すぐにでもできる労働安全衛生九つの緊急提案」を掲載することになる。

府高本部の役員と一緒にMさん宅にお見舞いに
                            R障害児学校 Kさん

病気で休んでいる教職員へのあたたかい支援と闘いを!
☆のんびり、気を楽にして、あわてず休養してね。 
☆腰痛持ちだから、貴方の痛みがよくわかるよ。 
☆今より働きやすい職場にして待ってるよ。
 これは、5月に腰痛で長期の病休に入ったMさんへの私たち寄せ書きの一部です。
 小学部のMさんは、昨年、MK養護学校から転勤し重複児グループの教育を担当。
 その年の秋から腰痛に悩まされ、今年の5月連休明けに
「毎晩痛み止めを飲まないと眠れない。夜中に痛みでうなされる。もう限界!!」
とやむなく長期の病休に入られました。
 7月、府高本部と連絡を取り府高本部の役員さんと一緒にMさん宅にお見舞いに行きました。
 Mさんは、

「やっぱり早めに病休とっといたらよかった。無理してこじらせた。」
「がまんしてた…転勤して1年目やったし…」
「フリーの教員がいないので、みんなに迷惑かけるし……」
と私たちに訴えられました。
 Mさんだけがしんどかったのではありません。

「あなたは、元気に働いている?」
 「そういう自分は元気に働いているか?」


 小学部では、昨年13名中11人が、また今年もすでに12名中5名がなんらかの病気による休みをとっています。
 教職員の健康破壊がすすんでいました。それだからよけいMさんは、無理をして病状を悪化せざるを得なかったのです。
 そのため私たち分会は府高本部と連絡を取り、7月に校長へさらに9月に府教委へと緊急要求書を提出。
 小学部の教職員の健康破壊は、授業の持ち時間数の増加、子どもの障害への配慮からくる緊張と介助的作業の増加、ここ3、4年連続の不当で無配慮な異動などが病気で休む教職員続出の要因として、緊急改善とフリー教員の早急配置を要求していました。
 夏休みの終わりの8月末、私たちは、学校の教職員の健康対策の話し合いをすすめ ています。
 学校では、小学部だけでなくすべての教職員に労働安全衛生が必要になっています。
 私は、一日も早く職場復帰をしたいとねがっているMさんをはじめ、多くの病休者に支援するだけではなく「ともに闘おう」という決意をしています。
 「あなたは、元気に働いている?」
 「そういう自分は元気に働いているか?」
 まづ、みんなで声をかけ合ってみよう!

  生活破壊、健康破壊に歯止めをかけるのはだれ? ー いのちと健康の問題は、闘わないと守れないことを明らかに ー
                                                             ひとりの養護教諭から

 京都府立高等学校教職員組合労働安全衛生対策委員会討議資料や「教職員のための いのちと健康と労働」を充分読んでいます。
 特に「教職員のためのいのちと健康と労働」NO8,NO9は、教育のはたす役割や教職員の任務について的(まと)をえた意見が出ていると思いました。
 私たちの毎日は、目の前にいる生徒のことを考えるといろいろな課題があることに気づき、自分の「意志」で仕事をしているように感じ、自分の生活時間に学校の仕事をどんどん入れてしまい、それにブレーキがかかりません。
 教育の仕事は魅力ある仕事だから、よけいにそうなるのかもしれません。
 でも、それでは、生活や人生を大切にし、教育という労働を通して生徒たちに、生きて教えることにはなりません。

長続きしない 自己犠牲

 日々に追われ、いわば「なりゆきまかせ……」になっているとも思います。
 もっとよく考えると、不十分な教育予算と労働条件を放置して、私たちがすすんで働くかのように仕向けてくる教育政策は、ひどいなあと思います。
 このまま教職員の正当な権利が保障されない状況がもっとすすむなら、「民主的人格を生徒に育成する」ことや「いのちを大切にする教育」は、とてもとても困難です。
 教師の「善意に名を借りた自己犠牲」の持ち出しだけでは、教師の生活破壊や健康破壊はもっと進んで行くと思います。
 自己犠牲は決して長続きしません。
 それに対して、だれが歯止めをかけてくれるのでしょうか?
 教育委員会や文部省が?
 個人で?
 家族が?
 それとも働く状況をよく知っている職場の仲間や組合の闘いでしょうか?
 やっぱりなにより組合の取り組みに期待したいし、組合本部まかせにしないでみんなで考えることが、今もっとも大切であるように感じていますが、いかがでしょう。
 この夏、先輩の養護教諭の先生からこんな話を聞きました。

学んだことから教えることへ
そして教えたことが自分のなかまへの取り組みに


「ずっと以前、性教育をはじめた頃、生徒に性教育を教えるために母性保護も学習した。
 そのころ中学校卒業後すぐに働く生徒も少なくなかったから、性教育の中で生理休暇のことも、なぜ必要か、もふくめて教育した。
 そして、自分が授業をさぼるのに生理だとウソの理由にしてはいけないことも教えた。そして教師自身も生理休暇の必要性がわかり、生理休暇を取れるよう組合で取り組んだ。」

 学んだことから教えることへ、そして、教えたことが自分のなかまへの取り組みに生かすことであった、との話でした。
 今、学ぶことと、それを生かすことの「乖離(かいり)」がさまざまに言われますが、いのちと健康の取り組みに、結びつけて考えてゆきたいと思っています。
 組合では、労働者の基本的権利の問題なんかも取りあげて、いのちと健康の問題は闘わないと守れない、ことにふれていってほしいと思います。
 
緊急提案を出さなければ

そして緊急提案として労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」1997年10月20日 NO15に以下のことを提案した。

教職員のいのちと健康を守り、真の労働安全衛生をすべての教職員のものとするための闘いを進めよう!
 ー抵抗なくして安全なし、闘いなくして労働なしー


病気や災害は個人の体質や不注意によって起こるものではない。
 仲間を見殺しにする学校現場があるとするなら、それは人間を育て人間を大切にする社会を作る教育の場とは言えない。
 教職員は、どんなことがあっても自分の責任のように思うのが常である(そのことを責めているのではない)が、教職員自身の責任にすることは誤っている。本当の原因は別にあり、その責任を明らかにしないかぎり、事故や災害は再びくりかえされるであろう。
 多くの事実がそのことを示しているではないか。
細川汀・垰田和史共著「教職員のための労働安全衛生入門」より









すぐにもできる労働安全衛生九つの緊急提案 
                   1997年10月18日
 京都府立高等学校教職員組合労働安全衛生対策委員会 


「教職員のためのいのちと健康と労働」NO11、で副委員長の緊急の訴えが出されました。
 この訴えは、府立校の在職死亡が今年に入って現在分かる範囲でも5名を越えたこと、退職後すぐ死亡している府立校の教職員が少なくないことなどから、緊急対策の提案がだされたものです。
 さらに、京都府立高等学校教職員組合がこの間明らかにしてきた教職員のいのちと健康をまもるための要求に対し、府教委は労働条件の抜本的改善や具体的な手だてを打とうとしていないことに対して再び「厳しい指弾の声明」を出したものです。
 教職員の労働条件改善や労働の上でのいのちと健康を守る責任は、労働基準法や労働安全衛生法上も使用者である京都府教育委員会や事業者である京都府・京都府教育委員会にあることは明白です。
 しかし、彼らがなんら手を打たないからといって、これ以上の死亡者や病休者などを出すことは、どうしても防がなければなりません。
 そのため副委員長は、5点の教職員に対し、緊急の取り組みを提起しました。それをより具体的に提案したのが以下の文章です。
 なおこの提案は、教職員のいのちと健康を守るための提案ですが、京都府・京都府教育委員会の責任を明らかにし、「健康は自己責任」という政府や行政や教育委員会の攻撃を許さない闘いはいささかも手をゆるめることなくすすめて行くことを前提としたものです。


1,からだの調子が悪い、病院にいかんならんなあ、と思っている人、思いながらも病院に行けてない人は、無条件で自分の信頼できる医者・病院に行こう。そして、自分の健康の様子をチエックしよう。また医者から「休むよう」に言われたら必ず休もう。

 寝ていて「途中で目が覚める」「眠れない」「食欲がなくなる」などは、「休め」の合図。内科も精神科も気軽に受診しよう。
 この間府立校の現職死亡や重症の病気、慢性の病気になっている教職員の状況を調べてみると、早く病院に行っていれば、いのちや健康状況の悪化が防げたということが多くあります。
 教職員の健康状況を調べた労働安全衛生研究者から早い時期からこのことが指摘されていました。
 しかし教職員は、府教委などにより長時間過密労働などさまざまなことが「自主的という名を借りた強制」によって、病院に行くひまもないまま自己の健康状況に手が打たれず、自分でどうしようもないぐらいになって病院に行った段階で、手遅れだった、もっと早く治療を受けていればここまで悪化しなかったのに、ということが少なくありません。
 同僚から病院に行くようにすすめられても、「まだ大丈夫や」「休めへん」「時間がない」「自分がいないと教育はどうなるのや、クラスをどうするのや」などのことで病院に行かず死亡した教職員もあり、アドバイスした教職員からは、「無理矢理でも病院につれて行けば良かった」と痛恨の思いの反省の声も聞きます。

 「病院に行こうとすると『見えない垣根』が多くあって、ずるずるとなり、病院に行けなかった。治療を受てから、やっぱり早く病院に行っていれば良かったと思った。早くそのことをみんなに知らせて欲しい。」
 「身体の調子が悪そうだから今日は帰り、あとは心配せんと」
 「調子が悪かったら休み」と話しかけられた仲間の声がうれしかった。」
などの意見も寄せられています。
 仲間として教職員の健康を心配して養護教員部からもこれらの指摘は数多くあります。
 時間が出来たとき、ひまが出来たときと思わず、からだや精神状況が悪いときは、無条件で病院に行きましょう。
 また、病院に通院していても、どうも良くならない、自分の自覚症状と医師の治療があっていない、などと思うことがあれば、病院を変わることもこの間の教職員のいのちと健康問題を考えたとき大変重要であることが分かってきました。
 でも、どこの病院へ行けばよいのか迷ったときは、養護教諭に相談してみましょう。
 迷ったときは、養護教員部が、同じ働く仲間としての立場から健康情報を把握し、相談にのってくれるそうです。
 府高労働安全衛生対策委員会のアドバイザーには、労働安全衛生研究者や医科大学の先生もおられます。その先生からもアドバイスがいただけます。

 2,病気や病気がちの教職員、病気で休んでおられる教職員に対しては、 休んでいる間の職場の保障を府教委や管理職に要求しよう。

 また、病気が 良くなった、と医者からいわれた先生や病気治療で一定期間休んでいた教職員の
職場復帰に対しては、府教委や管理職にリハビリ勤務を要求しよう。
 まわりの教職員は、病気や病気がちや休んでいる教職員へ仲間としての援助を惜しまず、協力しよう。
 病気で休んだり通院するための時間や人員配置は、あきらめることなく仲間の連帯と統一で府教委・管理職に要求しつつ、教職員として助け合い、励まし合いましょう。病気によっては、デリケートな対応が必要な場合もあります。
 その場合は、相談して気配りのある配慮をしましょう。
 そして、「あの人が休むと迷惑する」「自分もしんどいけどがんばっているのに休むなんて」などなどのことは、みんなで話し合い、教職員自身の問題解決にさせられている状況を明らかにし、個人と個人の問題として考えないで、そう考えざるを得なくさせている府教委・管理職の責任として考えましょう。
 その場合は、以下7、の「健康上のプライバシー」を必ず守らせましょう。

3,生理休暇を学習するだけでなく、生理休暇を権利としてとろう。

 女性教職員の異常出産、流産、死産が増えています。
 生理休暇を取っている教職員は、異常出産などが少ないことは明らかです。
 異常出産、流産、死産の予防のためにも女性の健康のためにも生理休暇があります。
 しかし、その権利がほとんど行使されていません。
 すこやかに子どもを生み育てるためにも、元気に更年期を迎えるためにも生理休暇を取ろう。さらに、更年期をむかえた人も生理休暇をとりましょう。

4,食事を規則正しくとろう。「立ち食い」「チョイ食い」をやめて、せめて休んでゆったりした食事と休憩を確保しよう。このことが出来るように府教委・管理職に要求しよう。トイレに行きたいときは、がまんせず行こう。

 また、トイレに行く時間と教職員がいつでも行けるトイレの設置を府教委・管理職に人権問題としても要求しよう。
 養護学校では、教職員の使用するトイレのプライバシーを守る施設にするのは、当然の人権要求。設備の緊急改善を要求しよう。

5,府高労働安全衛生対策委員会のストレッチを労働時間中にこまめにやろう。

 みんなが集まるところやコンピューターの置かれているところや休養室に、労働安全衛生対策委員会作成のストレッチを張り合わせ、意識的に筋肉の緊張をとり身体をほぐそう。
 緊張の連続と身体を使ったときには、ストレッチで、「ホット」一息しましょう。

6,もしも教職員が、病気や災害で倒れたり、死亡したりすることがあったら、直ちに事実を調査し府高本部に連絡しよう。

 府高執行部を呼び原因調査・追求を行い、府教委と管理職の責任を明らかにしよう。
 また病気や災害の原因が府教委と管理職にある場合は、緊急集会や抗議集会を直ちに開こう。そして、多くの教職員や他労組の参加を呼びかけよう。
 教職員の交通事故、病気、自殺などのことも、府高と連絡をとり、府教委などが、事故や災害や病気を個人責任にしたり、責任転嫁したり、労働安全衛生上の問題などがないかなどを検討・調査しよう。
 これは、二度と同じことを繰り返さず、教職員のいのちと健康を守るためにもきわめて重要な取り組みです。

 しかし、労働の上で、災害や病気や死亡などを生み出さないようにする「予防」こそが、労働安全衛生です。私たちは、仲間が災害をうけたり、病気や死亡する事がないよう「予防」を最優先させましょう。

7,府教委や管理職が、教職員の健康状況を悪用したり、他の人に漏らしたり、健康状況を利用して教職員を「おどかしたり」「懐柔したり」「嫌がらせをする」などがあれば、事実と証拠をつかみ、府教委や管理職に直ちに抗議し、闘いをすすめよう。

 教職員の健康状況は、労働安全衛生法上でもプライバシーの保護として制約があり、先進諸国では、本人の了解なしにはたとえ管理職であっても知らせないということは常識の事項。
 使用者側が、労働者の健康状況を利用して管理統制をする事を国際的にも禁じる方向が打ち出されます。

 8,すべての分会に労働安全衛生担当者を置き、府高労働安全衛生の取り組みを成功させよう。

 京都府立高等学校教職員組合労働安全衛生対策委員会「教職員の労働安全衛生衛生問題の政策とその要求実現のために(第1次討議資料)」の分会討議をさらにすすめ、意見や質問や提案を分会労働安全衛生担当者・府高労働安全衛生対策委員会に結集させよう。
 また各種労働安全衛生学習会や他労組の労働安全衛生の取り組みから学びましょう。

9,「教職員の労働安全衛生入門」「安全で健康に働く」をみんなで学習し、意見交流を進め、教職員の労働安全衛生の深い理解を進めよう。

 府高労働安全衛生対策委員会労働安全衛生政策討議資料、京教組養護教員部「教職員のいのちと健康を守る労働安全衛生活動をめざして・討議資料」で討論し、話し合おう。
  「教職員の労働安全衛生入門」「安全で健康に働く」は、今日の教職員の労働安全衛生問題を考える上で欠かせない重要な本です。
  あらゆる角度から学習しましょう。

「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために第1次討議資料」へ寄せられた意見を すべて掲載して さらに要求


 山城貞治( みなさんへの通信 13 )

 労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」に「教職員の労働安全衛生問題政策とその要求実現のために(第1次討議資料)」へのみなさんのご意見をお寄せ下さい。」と掲載したところ想像を超えた職場から意見が出された。
 それを労働安全衛生対策委員会で検討し、関連する資料も付けた。
 そのぼんの一部を紹介する(実名での意見であったがここではイニシャルにする。)

  退職平均年齢が50歳以下と知って妻と子のことも考えた討議資料
                           JN高分会 自分の健康を考えはじめた教師
 第一次討議資料を読んで、自分の健康と妻と子のことを考えた。7年間で110人を越える現職死亡が多い、しかも、
 小学校の退職平均年齢が48.9歳、
 中学校が47.5歳、
ということを全教11回定期大会で京教組藤本書記長が発言していた。
 このことを放つておいていいのか、と切実に思う。具体策がどうしても必要だ。
 がんばりすぎは良くない、がんばってしまうが……。
 これまでは、生徒にためという名目で、出来ないことも無理して引き受けると言うことが多々あった。
 教師も自分たちの要求をハッキリ出して、府教委の責任と保障をハッキリすることはが大切。
 私たちは、他の労働者や労働組合が労働形態から提起している問題を受け止めることが大切。
 出来ないと言うことは、「デキナイ」とハッキリ言うことが大切であることはよく分かった。

教育運動に強いが、労働運動に弱いことの克服を
                                               熊 産気


 いのちと健康を守る。
 大変大切なことではある。
 ぜひ、労働基準法や労働安全衛生法が完全適用され、安心して働ける職場が出来ることを望む立場で、いくつかの点で質問したい。

 われわれは、労働の対価として賃金を受け取っているが、教職員にとっての労働(職務内容)が明確にされていないのではないか。
 職種ごとの職務内容(任務論)の確立がされてない中、労働安全衛生法もないのではないか。
 明確に職務内容があるのなら、職種ごとにハッキリ示して欲しい。
 労働安全衛生法に取り組むなら、労働者一人一人の仕事がなになのかを、ハッキリさせておく必要があるがどうか。
 今、公務災害認定で訴訟がやられているが、労使間で職務内容の確認が出来ていないことが原因として考えられるのではないか。
 契約があいまいでは、話にもならないと考えるがどうか。
 特にふれられていない、放課後のクラブ活動や休日にやられている(自主的)クラブ活動をどうとらえるのか。
 
こういったあいまいにことをすましている部分まで、手をつける覚悟が本当にあるのか。
 教職員の勤務形態として、職務内容や服務について一定の自己責任や管理でおこなわれている実態があると思うが、すべて管理職の下でおこなうことになり、管理強化がすすむ面もでてくるがどうか。
 個々の労働感といったものが、否定される部分がでてくると思うが、どうか。労働安全衛生法というのは労働者を守るべき法律であるはずだと思う。
 しかし、一般的に、法律は、どのような者にとっても都合良く解釈できる要素がある。
 労安討議資料にしても、内容はプラス面ばかりが強調されているが、そうで内面も多々あると思うが、どうか。
 既特権の剥奪や労働慣行の廃止などマイナス面もでてくる職場もあるのではないか。
 これらのことを考えて組合は本気で取り組む気があるのか。
 労働者(教職員)の労働意識を根本的に変えていく必要があると思うがどうか。
 教職員も労働者であるという意識がうすいと思うがどうか。
 教育運動には、教職員組合は強いと思うが、労働運動に弱点を持つと思うが、どうか。
 最後に、組合としてどのような学校現場(職場)を理想としているのか。
 また当面なにを獲得目標にしていおられるのか。以上、思いつきの文章になりましたが、質問します。

 府高労働安全衛生第一次討議資料を読んでの感想

1.民主的教師・教育論が果たしてきた役割をあらためて分析、評価しなおすことが必要ではないか?

 教師自らが誤った認識によって、「生徒のため」などという「美名」の下で、自らの権利を自らで制限あるいは、攻撃によって制限されてきた権利を自ら合理化してしまうことが多々あったように思われる。
 またこれまで、そのような自己犠牲を当然と考えていた者からみれば、労働安全衛生体制の確立は、権利のみを全面に、「生徒に冷たい教師」を作り出す体制のようにも映るかも知れない。
 それは「労働安全衛生体制の確立と民主教育を守り発展させていくということが何ら矛盾しない。」という観点が不十分であることのあらわれでもある。
 教職員の権利憲章や労働安全衛生の観点からみて、これまで不十分であった点や誤った点を明らかにし、その上で、労働安全衛生の観点を確立することが必要であると思う。

2.労働安全衛生の問題が府高で取り上げられ、ここまで教職員の関心を集めるまでになった状況で、少し労働安全衛生の言葉が一人歩きをしはじめている感じも一方である。
 これさえあれば労働安全衛生が確立され、あたかも何でもできるような錯覚がひろまりつつあるのではないか?
 労働安全衛生体制の確立はそのようなものではないはずである。
 その中身を本当に有効なものとするには当然に、当局との激烈とも言える、その時々の「力関係」での闘いが必要であるのではないか?
 討議資料を見る限りにはこのような観点が十分には伝わってこない。
 職場でも活きたものとする心構えが必要であることを強調すべき。とも思う。

3.個別の問題で……意見と質問

・学校現場での新規の機械などの導入に関しては、安全教育が必要なことが当然であるが、そもそも安全な機械を導入させることが大切であると思う。
 例.職場のコンピュータディスプレイなど、安かろう悪かろうなものを導入するから、目が疲れるのである。きちんと労働安全衛生の観点で機器選定すべきである。

・産業医の果たす役割が今ひとつわかりにくい。
 例えば単純な疑問として産業医は労働者と設置者のどちらの味方なの?
 個人の主治医と産業医の見解が食い違った場合にはどうなるの?

・東京などで成績率の導入による勤勉手当の差別化の動きがある。そこで、勤務評定による差別賃金制度の導入をやめさせることを追加したらどうか?
多忙化を進めるものでしかないと思う。

府立学校全体に安全衛生委員会を!
                         TN養護学校KM分会 TK


 安全衛生委員会を府立学校全体でつくることに、基本的に賛成。
 いろいろと分会に差違がある中で、すべての職場で一律のものを持つことが運動を広げる糸口になるからです。
 それを基礎に、すべての職場で実態をふまえた労働安全衛生体制を。
じっくり読んで考える
                                
 府高労働安全衛生第一次討議資料は、ゆっくり読んで考えたいと思います。
 職場で問題があるたびに、討議資料を取り出し、読み直し、考えてゆきたいと思います。
 
 府立高全体の安全衛生委員会は必要
                        YS海養護学校分会 NK


 府立学校全体で、ひとつの安全衛生委員会をつくることは必要だと思います。
 
個々の職場の問題が、どうなってゆくのか?
ということもあるので、個々の職場においても安全衛生委員会は、必要だと思います。
うちの学校では、当面は、公務の健康対策委員会があるのでいいと思いますが……。
 こまかいところは読めていないので分かりません。

労働安全衛生基礎資料
労働安全衛生基礎資料国際労働機関(ILO)夜業に関する条約(第171号)日本は、批准していません。
以下仮訳の抜粋です。

 第3条
1,夜業の性質から必要とされる夜業労働者のための特別措置(少なくとも第4条から第10条までに定める措置を含む。)は、夜業労働者の健康を保護し、夜業労働者が家族的責任及び社会的責任を果たすことを援助し、職業上の昇進のための機会を提供し及び夜業労働者に対し適切に補償するためにとられる。
 この措置は、安全及び母性保護の分野においても夜業に従事するすべての労働者のためにとられる。

 第10条
1,使用者は、夜業労働者の業務を必要とする勤務計画を導入するに当たっては、必要とされる職業上の健康のための措置及び社会的な便益について並びにその勤務計画の詳細及び事業場とその従業員とに最も適する夜業の編成の形態の詳細について、関係のある労働者の代表と協議する。
 夜業労働者を雇用する事業場においては、この協議を定期的に行う。

2011年6月19日日曜日

文部科学省は  十数年前から学校安全対策を検討していた



 山城貞治(みなさんへの通信12)

 労働安全衛生対策委員会の活動を急速に強めないとだめだ、労働安全衛生対策委員のみなさんにおねがいする、と府高委員長の要請を受けた労働安全衛生対策委員会は、
 (労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」)を発行し続けるが、それが後々大きな波紋と問題解決を産みだしていく。






















府教委に
安全ぬきの衛生委員会を訂正させる

 まず、労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」NO1を紹介する。

 府教委安全ぬきの衛生委員会を訂正   - 府高執行部、府教委を鋭く追求 -  

 7月4日(金)( 注 1997年)に行われた府高の府教委交渉で、府高執行部は、教職員の健康問題を取り上げ、府教委を厳しく追及。
 特に府教委が、府議会文教委員会や京教組の府教委交渉で教職員の健康のための「衛生委員会を検討」と回答し、健康上の安全問題を「ぬき」にしている点を厳しく追及しました。

 副委員長は

「労働安全衛生法にもとづく健康診断が行われていない」
「人事委員会ですら府教委に36項目の労働基準法・労働安全衛生法違反があると指摘しているではないか」
「労働安全衛生委員会の設置や産業医などの職場巡視すら出来ていないではないか」

と府教委の責任を追及。すると府教委は、
「労安法の趣旨の方向が実現するようにしたい。」

と回答。
 府高委員長が、

「府教委は、従来から衛生委員会と回答している。なぜ『安全』をはずすのか!労働安全衛生法の基本である労働安全衛生委員会設置でいいんだな」

と府教委の教職員の安全を無視した姿勢を批判。府教委は、

「そのとおりです。」

と回答。
 書記長はすかさず

「(府高と)労働安全衛生委員会設置で詰めていくのだな」

と再確認を求めたところ、府教委から

「中身も含めてこれから詰めていく」

との回答を引き出しました。

安全対策は いのちと健康に直結する

 安全問題は、労働安全衛生法上でも
「労働者の危険を防止するための基本となる対策」
「労働災害の原因及び再発防止対策」
などに関わる重大事項で、まさに教職員のいのちと健康に関わる重要事項です。
 またそのための手だてを講じなかった場合には、厳しい罰則が決められています。
 府教委は、ひたすら「安全ぬき」の「衛生委員会設置」を言い続けていましたが、今回の府高の府教委交渉でその責任逃れが暴露され、「労働安全衛生委員会設置」を約束せざるを得なくなりました。
 府高組合員の切実な要求と労働安全衛生問題の学習と取り組みが今回の府教委回答を引き出す成果となっています。
 私たちは、引き続き教職員の労働安全衛生の具体的対策を府教委に要求してゆく必要があります。

文部科学省の動きは先んじていた

 このNO1に掲載した以下の文章は、文部科学省の方向を打ち出すものにしていたとは気がつかなかった。
 掲載した記事は、次のようなものであった。

この夏「教職員のための労働安全衛生入門」でリフレッシュ  - 文部官僚も読んだ注目の本をあなたも -

  今、全国の教職員のいのちと健康を守る上で最適な入門書は、「教職員のための労働安全衛生入門(文理閣発行)」が大きな注目を浴び読まれています。
 この本のきっかけを作ったのが京教組養護教員部。
 教職員の健康診断項目が大きく変わったことをきっかけに教職員の健康と労働を考えよう、と学習会を開き、その学習報告を自主出版しました。
 ところがこの本が全国の教職員から大評判。
 仲間の過労死や病気といった深刻な問題に解明を与えてくれるだけでなく、教育委員会と対等に闘えるテキスト見っかった。
 教職員の疲労の原因がよくわかった。
 疲れていては、いい教育ができない、ではどうすればいいのかが分かった。などの感想が寄せられてきました。
 そこで、自主出版の本を広く読んでもらうために細川汀先生、垰田和史先生の全面協力を得て大幅改定され出版されたのが「最新教職員のための労働安全入門」です。
 
文部官僚が
「最新教職員のための労働安全入門」を取り寄せ研究

 この本を文部官僚が取り寄せ研究していたことも最近分かってきました。
 彼らは、教職員の労働安全衛生入門のテキストとして「最新教職員のための労働安全入門」を無視できなくなっているのです。
 この夏、少しゆっくり出来るとき、この本を読んでみませんか?
 秋に新しい知恵と力が湧いてくると思います。

と言う記事であった。
 「この本を文部官僚が取り寄せ研究していたこと」と書いたのは、自主出版の本を広く読んでもらうために細川汀先生、垰田和史先生の全面協力を得て大幅改定され出版するため出版社に絶えず出入りしていた労働安全衛生委員が、配送担当者から
「文部省から新聞広告を見て電話があった。至急直接3冊を送って欲しいとの注文があったので送った。」
との話を聞いた。
 そこで、「文部省宛か」と聞くと
「いや なんかかなり偉いさんみたいやった。」
と言うことで、よく調べて見ると上級文部官僚宛だった。
 この時は、学校保健法と労働安全衛生法との違いを調べていたのではないか、と軽く考えられていた。

 安全対策マニュアルを出すために使われ
 学校保健法から学校保健安全法改正に

 ところが、この段階で文部科学省内部では、学校安全対策がすでに検討されており、その後相次ぐ学校安全問題にその安全対策マニュアルを出した。

 そして、「学校保健法等の一部を改正する法律(平成20年6月18日法律第73号)」によって、2009年(平成21年)4月1日、学校保健法から学校保健安全法に改正され、学校における安全管理に関する条項が加えられた。

教職員の
労働安全衛生も長いスパンで考えてこそ

 その間の資料を調べてみると、従来の学校保健法で使われた用語・文章ではなく、「最新教職員のための労働安全入門」に書かれていることとほぼ等しい用語・文章が出てくる。
 文部省では、十数年前から「学校安全対策」を検討していたことが解った。
 彼らは、単に「学校保健法と労働安全衛生法との違い」だけでなく、「学校安全対策検討」のため「最新教職員のための労働安全入門」を入手したのだ、ということが今ごろ解る。
 
 彼らは、長いスパンで考えていたのである。 

二度と教職員を見殺しにするような職場にしてはいけないという思いで いつぱいだった

 山城貞治(みなさんへの通信11)

人事委員会の指摘は府教委は知らない

 府高委員長は再度、府教委に問い詰めた。

「人事委員会に学校に安全衛生管理体制の確立をと1981(昭和56)年もまえに指摘されているではないか。」
「府教委は現時点で安全衛生委員会なり、衛生委員会は府高を抜きにつくるはずはないという返事をしたはずだ。」
「どういうことだ。説明せよ。」
と言うと、府教委は、

「あれ(人事委員会)は、学校長に言ったことで、府教委は関与していない。」

府高が知らないのに
 京教組と安全衛生管理体制協議とは

「現に、安全衛生管理体制問題では、1993(平成5)年11月から府教委と京教組第1回協議をしている。」
「府教委としては、労働安全衛生法にそった安全衛生委員会を置きたい、と京教組に提起した。」
「その後、京教組から労働安全衛生法からすれば、衛生委員会設置だと言われて、その方向で話をしている。」

 それを聞いた府高委員長はびっくりして、

「このまえ、現時点で安全衛生委員会なり、衛生委員会は府高を抜きにつくるはずはないという返事だったではないか。」
と言うと
「そうです」
「では、京教組となぜはなしをするのか」
と言うと

「京教組さんが、対応したいと言うことだったので。府高さんはご存じないのですか。」
とやり返されてしまった。
 この話を聞いた府高委員長はかんかんに怒って、京教組書記局に質問に行った。

労働安全衛生法は
教職員のいのちと健康を守る
と言いながら読んでいない

 当時のやりとりはおよそ以下のようだったと聞いている。

「労働安全衛生体制問題で、該当の府高を抜きに何度、なにを話たのか。なぜわれわれに知らさなかったのか。」
「いや、労働安全衛生体制をどうつくるかという申しれが1992(平成4)年府教委からあったから」
「では、なぜ京教組の機関会議で、それを知らさなかったんだ。」
「いや、府教委が内々でということだったので。」
「うちうちとはどういうこと。教職員のいのちと健康問題なのに、うちうち、内緒は絶対してはいけないこと。
 賃金や諸手当問題など話を詰まるまで検討することはあるが、それとこれとは違う。
 しかも、府教委は、労働安全衛生法にそった安全衛生委員会を置きたい、と京教組に提起したのに、逆に、京教組から労働安全衛生法からすれば、衛生委員会設置だ、と言ったらしが、事実なのか。」
「労働安全衛生法では、衛生委員会となっているから」
「労働安全衛生法には、安全衛生委員会、衛生委員会、合わせて安全衛生委員会となっているではないか。」
「日頃から、労働安全衛生法は、教職員のいのちと健康を守る、と言いながら、労働安全衛生法を読んでないということではないか。」
「……」

絶対 
安全対策抜きの衛生委員会は認められない

「しかも、京教組は15支部の集まり、連合体だろう。
 労働安全衛生法から言えば、府教委の事業場は府立学校であり、当該労働組合は府高となるではないか。」
「いったい何のために府教委に、安全対策抜き、の衛生委員会を言い出したのか。
 京都の教職員の災害は、警察官より多いと京教組が資料を出して説明していたではないか。」
「いや、各学校に衛生委員会を作ってもらうためのモデル案をしめそうと思って。」

小学校や中学校では
衛生委員会もできなくなる

「何を言っているの。
京都府下の小中学校で教職員が50人以下のところは、ほとんど。
 ほとんどの学校では、衛生委員会すら出来なくなるということになる。」
「えっ」
「労働安全衛生法とその関連文章等読んでいるのか。
 小規模事業場は衛生委員会も安全衛生委員会もつくらなくてもよいと解釈されている。
 だが、労働災害が一番多いのは、50人以下の中小零細会社じゃないか。労働安全衛生法は、そういう中小零細の会社で働く労働者のことを蔑ろにしている。
 そのような、労働安全衛生法の問題点はいくつもある。そこをキッチリ見ないでいるからそうなるのだ。」
「……」
「府教委との協議は、京教組ではなく府高がする。」

絶対
教職員のいのちと健康を守らないとの決意が

 府高委員長は、キッパリ言い切って、府高本部に戻り、労働安全衛生対策委員会の活動を急速に強めないとだめだ、労働安全衛生対策委員のみなさんにおねがいする、と行動を起こした。

「教職員を見殺しにしない」「してはいけない」という決意がみなぎっていたと、最近、その当時の府高委員長は、元労働安全衛生委員長に幾度もなく言っている。

2011年6月17日金曜日

なにも知らされていなかった 労働基準法・労働安全衛生法違反


 山城貞治(みなさんへの通信10)

府教委に確かめた府高委員長

 「衛生委員会」がつくられていると学校長が報告しているようだ、という報告を受けた府高委員長は、すぐに府教委に問い合わせるとともに各分会に校長に確かめるように指示した。
 各分会からの報告は、
「校長は組合を抜きにかってにつくらない」
というのがほとんどであったが、
「言えない」「何も言うなといわれている。」
という校長もあったとのこと。
 府教委は、安全衛生委員会は府高を抜きにつくるはずはないという返事だった。

以降経過を省略して書くと次のようになる。

奇妙な 
 「言えない」「何も言うなといわれている。」
という校長の発言

 府高労働安全衛生対策委員会では、各学校の校長や府教委の答えに疑問を持った。
 特に「言えない」「何も言うなといわれている。」という校長の話は疑問がある。
 ないならないでキッパリ言えばいいのに、「何も言うなといわれている。」とは、誰に言われているのだろうか。
 おかしい。調べて見る必要がある。
 ということで、府立学校の労働基準監督(寄宿舎・給食現場・現業現場などは労働基準監督署)に行っている府人事委員会事務局を訪ねることになった。

見えた府人事委員会の
労働基準法・労働安全衛生法
    に関する膨大な資料から

 府高労働安全衛生対策委員会として、労働安全衛生問題に取り組みたいから府人事委員会が労働基準法・労働安全衛生法に基づき府立学校の監督を行う場合の手引きや指導文章すべてをいただきたい、と言うと府人事委員会はこころよく承諾して、後日、膨大な資料を提供してくれた。(今日では、これらの情報は情報開示で誰でも入手出来る。)
 
その膨大な資料を読んでいた府高労働安全衛生委員は、ある重大なことが書かれていることを知った。

労働基準法・労働安全衛生法違反
 はすでに府立学校に指摘されていた

 1970(昭和45年) 11月5日
 京都府人事委員会、MK養護の寄宿舎、労働基準法8条号別区分で、「教育事業」ではなく「保健衛生の事業」と決定。(以降同様)

 京都府人事委員会は労働基準法違反がないかどうかを労働基準監督署の「立入調査」に該当するものとして京都府・京都府教育委員会・京都府警管轄の「事業場」に「事業場調査」という名称で立入調査を開始・
 教育委員会関係は、TB高校工業課程を実施。
 この段階では指導指摘はせず、翌年から指摘を開始。当初は主に工課程・農課程・養護学校を中心に「事業場調査」を実施していた。
(京都府立高校学校では、戦後の高校3原則を堅持し、工業高校や商業高校や農業高校ではなく、高校の総合制のため普通科・工業科・商業科などが同一校に設置されていた。)

1972(昭和47)年6月8日労働安全衛生法成立

1973(昭和48)年 1月31日
 京都府人事委員会労働安全衛生法施行にともない号令名等を改正。

労働安全衛生法成立後
7年間で府職員の労働安全衛生規定が作られたのに

1979(昭和54)年 6月29日
京都府職員安全衛生管理規程定められる。

1981(昭和56)年 7月23日 にMI養護学校への立入調査には、労働基準監督署は参加せず。

1、宿日直の許可。
2、年休の消化をさせていない。
3、女子職員の特別休暇ががとれにくくされている。

9月30日  MN高校に京都府人事委員会とともに労働基準監督署による「立入調査」。

1、労働基準法36条による協定。
2、宿日直許可。
3、安全対策。
4、安全衛生管理体制の確立。
5、男女別休養室の設置。
6、特殊健診の実施。
7、有機溶剤・特定化学物質の取扱い。

などなどの11項目が法違反として京都府教育委員会と学校に指摘し、その改善と報告を求める文章による指導をしていた。

1月26日にKZ高校へ京都府人事委員会が立入調査

1、労働基準法36条による協定。
2、宿日直許可。
3、安全対策。
4、安全衛生管理体制の確立。
5、男女別休養室の設置。
6、特殊健診の実施。
7、有機溶剤・特定化学物質の取扱い。
8、年休の消化をさせていない。
9、女子職員の特別休暇ががとれにくくされている。

 入手出来た資料では、これ以降は以前は不明であった。

人事委員会と労働基準局で
 監督の範囲で新たな協定

1982(昭和57)年 1月16日
 府教委、京都府教育庁職員安全衛生管理規定を定める。

 10月28日
 京都府人事委員会従来の協定見直し、用語、用字の「整理」し、労働基準局(当時)と労働基準監督機関の職権の行使の範囲と分担など新たな協定締結。
 府立校では、障害児学校の寄宿舎などが労基局の監督下におかれる。
 しかし、京都府人事委員会では対応できない、化学・工業・農業・などや機械関係などは労働基準監督署などの協力を得る。

安全衛生管理体制の確立などは
 労働安全衛生法成立時以降から
  府教委に指導されていた

 知り得た範囲でも、1981(昭和56)年 には、府人事委員会は、労働基準法・労働安全衛生法違反事項を府立学校に立入調査で指摘していた。
  しかも、安全衛生管理体制の確立をもとっくに指導していたのである。

 1997年以前でも府高の教職員はこのことすら知らされていなかったことになる。
 そこで、府高委員長は再度、府教委に問い詰めることになるが、そこでまた驚くことが続出することになる。今だから、そのことを気兼ねなく明らかに出来る。

2011年6月16日木曜日

百の論議よりもいのちと健康を守る取り組みを具体的に




  山城貞治(みなさんへの通信9)

 労働安全衛生法が、ややこしくされているのは労働者の保護の精神がないためで、京都過労死弁護団の弁護士から

「労働安全衛生法と関連規則、通達など読み切れないほど膨大なものだ。」
と言われ、
「安易に労働安全衛生法云々を言うより、まずみんなのいのちと健康をねがう要求。そこから出発しないとダメダ。教組はそこが弱い。」
と京都を中心に取り組んだ過労死事案の経験からの教訓をズバリ言われ、
「ようは、みんなのいのちと健康を守る取り組みを具体的にしているのか。」
と突きつけられた。
百の論議よりもたしかな一歩であった
 教職員のいのちと健康問題を最優先するため労働安全衛生体制もその視点から考えることとなった。

学んだ 自治体労働者の先駆的な取り組み

 その点で、自治体労働者の先駆的な取り組みから学ぶことになった。

 「いのちと健康を守る」自治体労働者の労働安全衛生読本(自治労連労働安全衛生・職業病対策委員会編 学習の友社)には、次のようなことが書かれていた。

曖昧な「 事業場」の概念・定義

第2編安全衛生を考える視点

 ③「事業場」とは何をさすのか?
「事業場」という言葉をいままで使用してきましたが、「事業場」とは何をさすのでしょうか。

 「事業場」単位で総括安全管理者をはじめ、安全管理者、衛生管理者、各種委員会等の設置・選任が行なわれるのですから、「事業場」の概念、定義は極めて重要です。 
 ところが、労働安全衛生法には「事業場」の定義がありません。
 この「事業場」の概念、定義が暖昧をために、自治体の安全管理体制や、安全衛生委員会の設置や運営等にもさまざまな問題をもたらしています。

事業場とは相関連する組織
のもとに継続的に行われる作業
の一体、と労働省

 労働省は、この「事業場」の定義に関して、
「この法律は、事業場を単位として、その業種、規模等に応じて、安全衛生管理体制、工事計画の届出等の規定を適用することにしており、この法律による事業場の適用単位の考え方は、労働基準法における考え方と同一である。」
とした上で、
「ここで、事業場とは、工場、鉱山、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもとに継続的に行われる作業の一体をいう。
 したがって、一の事業場であるか否かは主として場所的観念によって決定すべきもので、同一場所にあるものは原則として一の事業場とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業場とするものである。」
 (「労働安全衛生法の施行について」昭47.9.18発基第91号)という考えを一応は示しています。

教育委員会の管轄下の給食場を
 一括してひとつの事業場と労働省

 しかし、同時に、

「同一場所にあっても、著しく労働態様を異にする部門が存する場合に、その部門を主たる部門と切り離して別個の事業場ととらえることによってこの法律がより適切に運用できる場合には、その部門は別個の事業場ととらえるものとする。」
として、具体例として
「工場内の診療所、自動車販売会社に付属する自動車整備工場、学校に附置された給食場等」
を列記しています。
 ここで学校給食の例が出てきましたので、ついでに述べますと、昭48.3.2基発100号
「公立学校の学校給食事業に対する労働基準法の適用について」で、

「今後は、一の教育委員会の管轄下の給食場を一括して一の事業場」とするとともに、労働基準法8条の適用に関しては1号の「製造業」として取り扱う

との見解を示しています。

労働監督機関は
自治体によって異なる等
  複雑怪奇な状況

 ここまでのべてきますと、民間も自治体も事情は同じであると思われるかもしれませんが、実はもう少し複雑な問題が介在するのです。
 民間の場合は、監督機関がすべて労働基準監督署ですから、「事業場」をどのように扱うのかについて暖味な点があっても、労働基準監督署の方で判断、指導を行なうことができます。
 しかし、自治体の場合は、指導監督機関が労働基準監督署、人事委員会(人事委員)、首長の3つにわかれています。
 しかも、このわかれ方が、労働基準法8条による「業種」(1~17号)、現業・非現業等の相違、自治体の性格(都道府県、政令都市等の人事委員会のある自治体、人事委員会のない自治体)、さらには、労働基準局と人事委員会の「協議」によって「業種別」の監督機関の振り分けが自治体によって異なる等の複雑怪奇な状況になっています
 
安全衛生委員会設置は
 自治体では
民間に比べてよく言えば「柔軟」
悪く言えば「いい加減」

 多少わかリにくかったかもしれませんが、以上のことから導かれることは、自治体の場合、安全衛生委員会を設置する「事業場」をどのように設定するのかについて、民間に比べてよく言えば「柔軟」に、悪く言えば「いい加減」に扱うことができるということです。
 「事業場」の問題が、安全衛生委員会のつくり方に大きな関係を持つ.ていることがおわかりいただけたと思います。

以上のことなどなどを学んで、府高の学校に安全衛生委員会を設置する場合は、いくつかの経験を積んで実施することから、「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料 1997年8月」では、

「安全衛生委員会」が真に教職員のいのちと健康を守る実績ができた段階で、各校で「安全衛生委員会」を作り、さらにきめの細かい教職員のいのちと健康を守る体制を確立すること。

という政策を打ち出した。

とんでもないことが発覚

 だが、学校の教職員から1997年以前にもうすでに学校に「衛生委員会」がつくられていると学校長が報告しているようだ。調べてくれ、という意見がいくつか舞い込んだ。
 そこで調べて見るととんでもないことが発覚した。