2011年7月6日水曜日
大企業の重役からお礼があった 冊子安全配慮義務の与えた大きな影響
山城貞治(みなさんへの通信29)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか(その9)
病気等の教職員への強制異動をやめさせる
(5)健康診断後の健康指導……の部分ですでに述べた事は省略する。
だだ、
なお教職員の健康状況についてのプライバシーを守らなかった管理職は、処分させる。 は、多くのことが生じたが、その都度抗議をして、健康診断の目的外使用をやめさせてきた。
特に、健康診断では、
また病気等の教職員や健康診断で病気がわかった教職員には、絶対強制異動をさせないことはもちろん、安心して治療に専念できる保障を作り、学校の教職員の「自助努力」にゆだねないこと。
また現行病気休暇制度を3年間という縛りだけで終始するのではなく、教職員が安心して快適に仕事ができるように根本的に改善するよう要求する。
また病休講師は7日以上1ヶ月未満についても導入するものとする。
の部分については、
ILO・労働安全衛生法 そして安全配慮義務の全面的宣伝
労働安全衛生法の(健康診断等に関する秘密の保持)
第104条 健康診断並びに第六十六条の八第一項の規定による面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない。
ILO第156号(家族的責任を有する男女労働者の機会
及び待遇の均等に関する条約)を紹介
1998年11月には、
人事異動の時期がやってきました。教職員の中には、自分が病気であることや家族が病気であること・介護が必要になっていることなどから「どうしようか」と悩んでいる人が少なくありません。
また自分が病気であったり家族が病気であった場合でも、府教委が「問答無用」の人事異動を強行してきたため、人事異動が、自分のことだけですまされない問題として教職員の不安が増大してきています。
これらの問題について、府高本部がILO第156号(家族的責任を有する男女労働者の機会及び待遇の均等に関する条約)とその関連文章(ILO第165号勧告)を入手したので紹介します。
ILO第156号は、1981年6月23日第67回ILO総会で採択されましたが、日本政府はこの批准にはげしく抵抗してきました。
それは、企業や行政が労働者の人事異動を「自由」に出来なくなるからです。しかし、内外の批判・運動の中で日本政府は、1995年に批准しています。
ILO条約をほとんど批准しない日本政府ですが、このILO第156号(家族的責任を有する男女労働者の機会及び待遇の均等に関する条約)は、私たちの生活や人事異動に大きく関わる「国際労働基準」を示しています。
家族的責任を有するものであって就業しているもの
又は就業を希望するものが、差別的待遇を受けることなく
日本が批准したILO「男女労働者とくに家族的責任を有する労働者の機会均等及び均等待遇に関する勧告(第165号)の抜粋資料
定義、適用範囲及び実施方法
1(1)この勧告は、被扶養者である子に対し責任を有する男女労働者であって当該責任により経済活動への準備、参入若しくは参加の可能性又は経済活動における向上の可能性が制約されるものについて、適用する。
(2)この勧告は、保護または援助が明らかに必要な他の近親の家族に対して責任を有する男女労働者であって、当該責任により経済活動への準備、参入若しくは参加の可能性又は経済活動における向上の可能性が制約されるものについても、適用すべきである。
国の政策
6 男女労働者の機会及び待遇の実効的な均等を実現するために、各加盟国は、家族的責任を有するものであって就業しているもの又は就業を希望するものが、差別的待遇を受けることなく、また、できる限り就業に係わる責任と家族的責任とが相反することとなることなく就業する権利を行使することができるようにすることを国の政策の目的とすべきである。
7 男女労働者の機会及び待遇の均等を促進するための国の政策の枠内で、直接的であるか間接であるかを問わず、婚姻していること又は家族的責任に基づく差別待遇を防止するための措置が採用され及び適用されるべきである。
雇用条件
19 交代制労働及び夜間労働の割り当てを行うに当たり、実行可能でありかつ適当な場合には、労働者の特別の必要(家族的責任から生ずる必要を含む)を考慮すべきである。
20 労働者を一の地方から他の地方へ移動させる場合には、家族的責任及び配偶者の就業場所、子を教育する可能性等の事項を考慮すべきである。
の徹底宣伝。
大企業のある重役から府高本部に
労働安全衛生冊子の注文とお礼が
そして、岡村親宣弁護士の了解を得て京都府高が作成した『岡村親宣講演記録集 「安全配慮義務」の法理とその活用』を徹底的に活用した。
この『岡村親宣講演記録集 「安全配慮義務」の法理とその活用』は、大企業からの注文が多くあり、大企業のある重役から府高本部の書記局員に
「安全配慮義務の事がよくわかりました。ありがとうございました。今まで、安全配慮義務のことに関する書物を多く読みましたが、貴組合が作成された冊子が一番解りやすく、参考になりました。」
とお礼の電話がかかってくるほど反響が大きかった。
府教委は、大企業のように反応はなかったが、理解しがたい「法理」があることを知ったようで、それまでの「有無を言わせない」強制異動は、大幅に減り、健康上に課題をもつ先生への少なくない配慮がなされるようになった。
その具体的な事例を次回に掲載する。
だだ当時、熱心に取り組み実現した、健康配慮や病気休暇制度は、今日、大改悪されてしまっている。
意欲に燃える新採教職員へ 当然の安全衛生教育と健康診断を
山城貞治(みなさんへの通信29)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか(その8)
採用前、採用後の健康診断を兼ねているとする府教委
(4)採用時の健康診断についてはその基準を明らかにさせるとともに、過去不採用になった理由を公表させ、その扱いが不当なものであった場合は、採用取り消しなどを改めさせるなどのことを要求する。
この項目は、二つの意味がある。
教職員採用試験に合格し、採用が具体的になった時点で、府教委は指定病院で健康診断を受けさせる。
ところが、この健康診断結果で「不合格」になる教職員がある。
今はそうではないが過去に「ぜんそく」があることを申し出た教師が不合格になったことなどなどがある。
安全配慮義務の観点から「採用前健康診断」の目的と合否の基準を明らかにすること。
教職員募集要項に試験で合格になっても「採用前健康診断」で「不合格」になる場合を具体的に
明示すべきであるという当然の意味合いが込められていた。
もう一つは、
労働安全衛生規則 第六章 健康の保持増進のための措置
(雇入時の健康診断)
第四十三条 事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について 医師による健康診断を行わなければならない。
を府教委が実施していないという問題があり、「政策」にとりいれたが、府教委の言い分は、「採用前健康診断」と「雇い入れ時の健康診断」を兼ねているから、「採用前健康診断」をしているので、「雇い入れ時の健康診断」はする必要がないと言う主張だった。
これは、それぞれ健康診断の目的内容が異なる。そのため個別にすべきである。4月1日採用された新任の教職員はすぐ仕事に忙殺される。
「新任研修」で
府教委は 採用者に労働条件明示をキチンと教えていない
労働基準法(労働条件の明示)
第15条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
労働安全衛生法 第6章 労働者の就業に当たっての措置
(安全衛生教育)
第59条 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
とともに「雇入時の健康診断」を行うべきである、とする常識的な提案であった。
しかし、府教委は201末年頃になって、「雇入時の健康診断」を行うと京都の教職員組合に申し出てきて、京都の教職員組合はこれは要求の成果、と機関紙に掲載されていたが、要求の成果でも何でもない。府教委が違法を改めたにすぎないのである。
新採教職員に安全衛生教育を行った
ある県では
新採教職員の退職がゼロになった
京都の教職員組合は把握していないが、教職員の新採用者が一年以内に半数以上退職する例が全国的にも相次いでいた。
京都も明るみに出していないが、新採用者の退職数はかなりの数であった。
意欲に燃えて教職員になったのに教育内容を学習する時間もなく雑多な用事やさまざまな校務に追われて、帰宅するのは11時、12時。
若い教職員でも体力が持たなくなり「絶望感」に襲われる。
こんな相談を府高労働安全衛生委員は、幾度も聞いていた。
だから、労働条件明示、安全衛生教育、採用時健康診断を行うべきであると主張したのである。が、しかし、府教委はいまだにそのことを充分実施していない。
近畿圏のある教育委員会では、新採用研修で安全衛生研究者に研修を行ってもらったところ、その年の新採用者の退職はゼロになったと大喜びして、毎年実施するようになったとのこと。
勤務時間や休憩、休日、安全衛生を教えられないまま働かされ若い教職員は少なくない。
府教委は、採用時健康診断を行ったとするが、このことは、労働安全衛生政策の実現、と書ききれない。
企業にやとわれた産業医の実態を知ることになる 事業者の行う健康診断の拒否権とその後の事務処理
山城貞治(みなさんへの通信28)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか (その7)
健康診断を他の医療機関で実施した
(拒否権を行使した)教職員には
府高 労働安全衛生対策について
(3)教職員の健康診断等については、……
健康診断を他の医療機関で実施した(拒否権を行使した)教職員には、その医療機関に府教委が実費を支給するよう要求する。時間外健康診断は不当なものであるので改めさせる。
以上の点に立って健康診断が受けられない教職員をなくす。
の項目の「健康診断を他の医療機関で実施した(拒否権を行使した)教職員」については、府教委や管理職、教職員にも理解されにくかった。
この項目は、
労働安全衛生法の(健康診断)第66条の 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。
5 労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。
の項目を具体化したものであった。
先進国の労働医は中立公正は当然とされるが
この項目は、日本では意外に知られていないが、産業医(他国では労働医など呼ばれる場合がある。
フランスなどでは、労働医の資格や中立性は日本よりはるかに厳格である。)が事業者側に雇用されるため企業側の利益を考え、労働者側の健康を損なう危惧がある。
また、医師・産業医の選定権は企業にあるため企業側が、労働者の健康を重視する産業医を選ばない場合が充分考えられる。
そのことと関連して、健康診断が企業側の指定した医療機関であるため労働者が不利益を被る事があるという労働安全衛生法成立時の国会の応答を重視したからである。
事業者の健康診断に対する拒否権を明示したものであった。
そのため
「他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。」の「健康診断費用」「証明書面」は、結果的に教職員の自己負担になるため
「府教委が実費を支給するよう要求する。時間外健康診断は不当なものであるので改めさせる。」としたものであった。
健康診断を受けられなかったら
人間ドックの結果を提出すれば と言った校長の波紋
この法文があることが知らない教職員が多く、労働安全衛生委員に「慢性疾患でいつも行く病院で証明書をもらっていいのか。」と聞きに来る教職員は多かった。
その場合は、「規定による健康診断に相当する健康診断」の項目を知らせ、医者に追加検査を行ってもらい必ず「証明書面」を管理職に提出するように説明した。
ところが、少なくない府立学校の校長が「健康診断を受けない人は、共済などの人間ドックなどの検査結果票を提出して下さい。」と説明したものだから混乱が起こった。
府立校では事務部長のほとんどが、衛生管理者(この問題は別途説明)の資格を持ち、人事委員会に年度末になると「健康診断報告」なる詳細な「報告書」を提出しなければならなかった。
そのため人間ドックの結果報告書には、「規定による健康診断に相当する健康診断」項目がないものも少なくなく、人事委員会から労働安全衛生法第66条の5に該当しないので、「健康診断を受けたことにならない。」と指摘、指導された。
人事委員会から労働安全衛生法の
(健康診断)第66条違反を指摘されて
頭を抱え込んだのは事務部長だった
そのため、真面目な衛生管理者の資格を持つ事務部長は、人間ドックを受けた教職員で健康診断項目の受けなければならない検査の抜けている部分だけを病院に行って検査するように個々の教職員に話をしなければならなくなった。
ところが、「校長の話と違うではないか。」「また病院に行くのか。なぜか。」と言われて多くの時間とストレスを抱え込んで悩むという相談が労働安全衛生委員のところに寄せられたりした。
また、年々、人間ドックを受ける教職員が増え、人事委員会への報告が煩瑣になっていることも報告された。
人間ドック過信はダメだ
そこで、他企業の産業医をしている学校医に相談を持ちかけたところ、人間ドックは万能ではなく、過信してはいけない。
検査結果の読み取り・分析ミスで「異常なし」とされた人が数ヶ月後に癌で死亡した例が少なくないことなどが話された。
一番いいのは、まず調子が悪い、いつもと変だ、からだがおかしい、などと感じたら、まず、すぐかかりつけ医師のところで診てもらうことが大切と言われたとのこと。
他企業の産業医をしている学校医
が自然に行った言葉は
府高のすぐにもできる労働安全衛生九つの緊急提案
1,からだの調子が悪い、病院にいかんならんなあ、と思っている人、思いながらも病院に行けてない人は、無条件で自分の信頼できる医者・病院に行こう。そして、自分の健康の様子をチエックしよう。また医者から「休むよう」に言われたら必ず休もう。
を言われたのである。
そこで、府高労働安全衛生委員は、今まで出した労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」を「読んで下さい。」と衛生管理者資格を持つ事務部長に見せたところ綴じて何度も熱心に読んでいたとの報告はあった。
適当な衛生管理者資格を持つ事務部長は、健康診断未検者として処理したため府立学校では、健康診断の未検者がゼロのところと、数人のところと、数十人のところがでて、再び人事委員会から労働安全衛生法に基づく健康診断を受けさせていないという指導がなされた。
大企業の診療所の産業医が
公務災害認定反論に出てくる姿
企業が選んだ産業医の立場の問題は、府高が取り組んでいた公務災害認定裁判で府公務災害支払基金から反論として、大企業の診療所の産業医が証人として出てきた。
その証言内容を知った人々から企業の思惑通りのことをする産業医の実態を具体的に知ることになる。
健康診断を他の医療機関で実施した(拒否権を行使した)教職員には、その医療機関に府教委が実費を支給する。
ことは、いまだ実現していない。
2011年7月3日日曜日
教職員 学校医 の熱意は 労働安全衛生を可能にしてきた
山城貞治(みなさんへの通信27)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか(その6)
医師なし健康診断の違法は改善されたが……
さまざまな問題と事態究明、監視体制の強化、特に教職員の要求の高まりの中で、府教委は、
「(3)教職員の健康診断等については、その目的趣旨を教職員に徹底させるよう要求する。」から『現行の「医師なし健康診断」は、労働安全衛生法違反なので直ちに改めさせる。』を改めるようになる。
ところが、定期健康診断の最初に医者の問診が行われたこと、医師が労働衛生に詳しくなかったこともあり、教職員の評判は悪かった。
ともかく、会ったこともない医師の印が健康診断結果に掲載されるところはなくなったが、女医による問診では、女性教職員から評判がよかった学校もあった。
もともと、医師による健康診断は、労働安全衛生法上は問題があった。
どう乗り越えるのか
中小零細規模の健康を切り捨てる労働安全衛生法の問題
労働安全衛生法の(健康診断)では、
第六十六条 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。
となっている。ここでは「事業場」の規定と規模によるが(府高の主張する京都府と京都府教育委員会が事業者であり、府立学校が事業者であるとすれば、常勤の産業医が3名以上必要であった。)
労働安全衛生規則
(産業医及び産業歯科医の職務等) 第十四条 法第十三条第一項 の厚生労働省令で定める事項は、次の事項で医学に関する専門的知識を必要とするものとする。
一 健康診断及び面接指導等(法第六十六条の八第一項 に規定する面接指導(以下「面接指導」という。)及び法第六十六条の九 に規定する必要な措置をいう。)の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
と中小零細規模の企業では、医師による健康診断と医師による「健康診断及び面接指導」「これらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。」と解される。
ところが、大企業では、産業医による健康診断と健康診断結果による措置になり、系統的な健康指導が行われるようになっている。
労働安全衛生法では、中小零細規模の企業と大企業の扱いは極めて矛盾に満ちたものであることがこのことでも解る。
徹夜をして 教職員の健康診断結果・意見を書く 医者も
そのため府高労働安全衛生対策委員会は、健康診断結果に基づき個々の学校の産業医(府教委は健康管理医と固辞)が、個々の教職員に対して「労働者の健康を保持するための措置に関する」指導をするよう府教委に予算化要求するとともに各校の産業医(府教委は健康管理医と固辞)に時間をかけて理解とおねがいをするように取り組むことを提案した。
1997年の冬早朝。
府高労働安全衛生委員の所に産業医(府教委は健康管理医と固辞)さんが、
「夕べ徹夜しました。これから開業です。」
と教職員100名を超す全教職員への産業医の教職員の「健康を保持するための具体的意見」が書かれた文章を持参され「校長先生に渡してください。」と手渡された。
府教委が、いい加減なことをしていても労働安全衛生を真剣に考える人たちが増えれば、労働安全衛生は前進する例として語り継がれている。
定期健康診断が、生徒の健康診断の間に行われることや、1年間にわたることを改めさせる。
点は幾度となく改めなおさせた。少なくとも年度末にまで定期健康診断を行わせ、産業医(府教委は健康管理医と固辞)の意見に基づき、安全配慮が必要な教職員の不当人事は大きく改めさせてきた。
多くのことを学んだ 兵教組加印支部(当時)の取り組み
さらに
現行健康診断に、腰痛健康診断、けいわん健康診断や乳ガン健康診断、子宮ガン健康診断、肺ガン健康診断、前立腺健康診断などのガン検診を導入させ、ガンの早期発見早期治療などができるように要求する。
ことについては、専門的に健康診断出来る医療機関や学校を会場とする問題があり、兵教組加印支部(当時)の労働安全衛生の取り組みから多く教えていただいた。
そこから、京都府下の病院と連携して、教職員が一定の時期に健康診断を受けて、要精密検査の場合はすぐに検査・治療に入れるようにすべきだという結論を得たが、府教委・組合の役員から「とほうもない意見」と決めつけられた。
しかし、当時の兵教組加印支部は、全国でも優れた労働安全衛生の取り組みをしていた。だから、全教に何度も言ったが何の音沙汰もなかった。
当時の兵教組加印支部の役員の方々から教えてもらった事は今も府高労働安全衛生に息づいてている。
健康診断の日を「健康の日」の教訓から学ぶ
また教職員の健康診断のための「休暇制度」を確立し、教職員の専門医療機関で受診できるようにするよう要求する。
このことは日高教北海道が、教職員の健康診断の日を「健康の日」として学校の授業「休み」にして、教職員全員が健康診断を受けられるようにしたことから学んだ政策であった。
健康診断結果は、個人のプライバシーを堅く守り、原則として1ヶ月以内に受診者全員に通知する。
は、いろいろ曲折はあるものの実現されて来た。
また、
健康診断を受けられなかった教職員が、他校で受診するときは出張扱いとする。
は、「出張扱い」となっていないが、要求した学校では管理職が丁寧な対応をしているところも出てきた。
巻き上がった 健康診断の重大ミスを隠し続ける府教委を 絶対許すなと教職員の声
山城貞治(みなさんへの通信26)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか(その5) 定期健康診断について(その4)
多すぎる「養精密検査者」に疑問の声が続々
1999年。ある学校では、1月に入って以降「要精密検査者」が定期健康診断の受診者の約50%あり、教職員から「この検査結果は、おかしくないのか…」との意見が府高労働安全衛生対策委員会に寄せられた。
半数近い教職員が「要精密検査」という結果が出たことはなかった。
「検査結果は、府教委になされていたはずである。でも、なぜそのことすら府教委が考えなかったのか」
またあるある学校では、管理職が、
「今回要精密検査が昨年に比べて極めて多い。ぜひ、再検査を受けてほしい。」
と言った。
このため府高労働安全衛生対策委員会は、府高本部に報告し、京都府下、他教職員組合の状況を調べ、取り組みをすすめてもらった。
「異常がない」のになぜ 「要精密検査」という病院
その結果、1999年1月下旬に行われた教職員の定期健康診断で、600人をこす医療ミスがあり、京教組をはじめ3教組が府教委に緊急質問を提出。
医療ミスの原因とその対処、教職員の健康診断の基本的改善を強力に申し入れた。
府高労働安全衛生対策委員会調査では、府立校の少なくない教職員が医療ミスによる健康診断結果、「要精検」通知により病院に行ったところ、病院から
「異常がない」
と言われて
「おかしいと思っていた。」
などなどの声が寄せられている。
府教委は、医療ミスがあった事実を教職員に知らせることなく、工場保健会・中央診療所・予防医学センターの3つの検査機関と相談し、医療ミスのあった教職員に対して「再検査」を行っているが、それから2ヶ月をこえたも50人をこえる教職員の「再検査」が「放置」されたままになっている。
今回の教職員の定期健康診断で起きた「医療ミス」は、従来から言われていた教職員の健康診断の根本的問題点をすべて含まれている。
今後、事実が判明次第、府教委の法違反、医療ミスかくし、などのすべてを明らかにして行きたいと府立学校教職員全員に知らせた。
教職員組合連名で健康診断問題について府教委に質問状
1999年5月18日
京都府教育委員会
委員長 武田 盛治 様
京都教職員組合
執行委員長 大平 勲
京都府立高等学校教職員組合
執行委員長 川上 雅詮
乙訓教職員組合
執行委員長 湯浅 暢子
亀岡教職員組合
執行委員長 平田 敬
平成10年度教職員定期健康診断に関わる第一次質問書
日頃京都の教育の充実・発展のためにご尽力いただいていることに敬意を表します。
さて府教育委員会は昨年10月から本年1月にかけて、平成10年度市町村立学校及び府立学校教職員の定期健康診断を実施しました。この中で1月下旬に実施した健康診断について、医療ミスが生じ、間違った診断結果が教職員に報告されました。
そして結果的に年度末の極めて多忙でかつ人事異動を控えた3月中旬という時期に、相当数の教職員が再検査を受けざるをえない状況となりました。
また誤った診断結果により教職員により教職員に不安と動揺が生まれ、病院に行き受診する教職員も少なからず出ています。
この間私たちは府教育委員会に対し、教職員の定期健康診断を適切に行い、その内容を充実すること、事後措置などは「法」に基づいて行うことなど、教職員の健康管理について万全を期し、使用者としての責任を果たすよう強く求めてきたところです。
しかし、今回の医療ミスの発生、誤った診断結果の本人への報告など、本来あってはならないことが生じています。
つきましては今回の健康診断に関わる問題について、以下のとおり質問しますので誠意ある回答を文章で求めるものです。
あわせて今後二度とこのような不祥事が起こることのないよう申し入れるものです。
質問事項
1,健康診断で医療ミスが発生した原因はなにか、医療ミスが判明した時点で府教委及び検診機関はどのように対応されたのか明らかにすること。
またトラブルが発生した健康診断の実施日時・実施会場・受診人数及び誤った検診結果によって再検査を必要とした人数を明らかにすること。
2,再検査について検診機関から教職員に「健康診断の再検査のお詫び」が出されていますが、主な実施主体である府教育委員会は医療ミス・再検査についてどのように判断し、地教委・学校長及び教職員にどのように連絡・指導をしたのかを明らかにすること。
3,再検査について血液検査項目中の「A/G比」のみの検査なのか、血液検査全体をやり直したのか、また校務などによって再検査を受けられなかった教職員の対応はどうされたのか明らかにすること。
4,教職員の健康状況(健康診断の結果など)が人事異動にあたって考慮されてなければなりませんが、今回の場合、どのように考慮されたのか明らかにされること。
また今回の件で検診機関の「外注」という問題もプライバシー保護上重大な問題点がありますが、教職員のプライバシーをどのように厳重に保護されているのか明らかにすること。
許されなかった 府教委の「一片の文」の「一定の説明」
ところが、これに対して、府教委は、1999年5月18日付の京教組・府高・亀教組・乙教組の「平成10年度教職員定期健康診断に関わる第一次質問書」及び再質問に対して、6月14日京教組を訪れ「一片の文」をもとに「一定の説明」を行った。
しかし、府教委の態度は、府立校教職員に対する定期健康診断の実施責任と各市町村教委の実施する教職員の定期健康診断に対する「実質的計画・さい配」を行っている責任ある立場にあるとはとうてい思えないものがあまりにも多すぎた。
定期健康診断は、教職員のいのちと健康に直接関わり、職業病を予防するだけであるばかりか労働条件に直結するものである。
さらには、学校現場で不健康な状況を除去し、快適職場環境をつくりあげて行く基礎となるものである。
そのため今回の教職員の定期健康診断における医療ミスは、たんなるミスだけですますことは出来ない重大性がある。
再検査を指示した日が
府教委が「検査ミス」を初めて知ったと言い逃れ
府教委は、定期健康診断の医療ミス問題を1999(平成11)年3月8日に検診協力会(京都予防医学センター・京都工場保健会・京都健康管理研究会中央診療所)からの報告で知ったとしている。
しかし、この事実関係に少なくない疑問がある。
検診協力会の3つの検査機関は、3月中旬に教職員各位としてそれぞれ「健康診断の再検査のお詫び」「教職員健康診断について(お詫び)」などの文章を該当教職員に届けている。
その中で京都健康管理研究会中央診療所のみが
「3月8日に京都府教育庁保健体育課と協議させていただいたところ、当日受診していただきました全員を対象として再検査を実施し、健康診断結果を再提出させていただきます。」
と府教委との協議を明らかにしている。
他の二つの検査機関は、なぜかそのことにふれていないのである。
すなわち3つの検査機関の文章を読む限り、京都健康管理研究会中央診療所が、府教委保健体育課と協議し、府教委保健体育課が3つの検査機関に「再検査を実施するよう」指示したとしか考えられない。
府教委が3つの検査機関と「協議」したのが、3月8日であるとするならば、府教委は、3月8日以前に今回の医療ミスを知っていたことになる。したがって府教委は、医療ミスを3月8日に知ったという「事実」には疑問が残る。
健康診断に責任を持たず
検査機関に責任を委ねる
しかし、最大の問題は定期健康診断の医療ミスを知った段階でも、府教委保健体育課は再検査実施を3つの検査機関に委ねるだけで事を済ましていたことである。
府教委は、定期健康診断を実施する責任ある立場から
①教職員に医療ミスが起きたことの事実を知らせる。
②再検査の呼びかけと教職員が受診できる保障
③医療ミスの原因と今後の予防などを何ら明らかにしなかった。
逆に問題を検査機関の責任にし、定期健康診断の実施責任をはたそうとはしなかったのである。
このことは、府立校や各市町村立校の教職員が定期健康診断に関わる医療ミスを何ら知らされていなかった事を見ても明らかである。
現行定期健康診断のシステムをよく調べてみると各検査機関が市町村ごとに割り振られていること、府立校の場合は、検査日程が長期に分散していることから、たとえ医療ミスが起きても教職員がその全容を知る事は出来ないのである。それだけに教職員の定期健康診断の全容を知る立場にある府教委の責任は重い。
だが、今回の医療ミス問題を事実に即して調べて行くと、府教委は今回の医療ミスの全容を教職員が知り得ないだろうと考え、内々で事を済ませようとしたことが分かってくる。
健康診断結果の全容を知る府教委は
健康診断結果さえ見ていない
府教委は、3月8日に検査協力会の報告をうけ医療ミスがあったことを初めて知った日のように報告している。
だが、府教委は、検査協力会の報告をうけるまでもなく、今回の医療ミスを知ることが出来ていた。
府教委は、昨年10月から本年1月末にかけて行われた定期健康診断の結果を各検査機関から報告をうけていたはずである。
その定期健康診断結果報告を見れば、明らかに「特定の学校」や「特定の地域」「特定の検査日」であまりにも要精密検査者が多すぎることを知ったはずである。
ある学校では、要精密検査者が定期健康診断の受診者の約50%近い数値が示されており、それを見れば要精密検査者があまりにも多いことに気付いたはずである。
しかも、要精密検査の原因を調べればそれはA/G比の「異常」からきていることはおのずと分かったはずである。
「この検査結果は、おかしくないのか……」と誰が考えても分かる定期検診結果報告が府教委になされていたはずである。
でも、なぜそのことすら府教委が考えなかったのか極めて不可解である。
管理職でも気付く
こんな初歩的なことすら知らない
教職員にはそのすべての内容が一切知らされていない「管理職用健康診断結果通知票」を見て、管理職でさえ昨年と比べてあまりに多い要精密検査者数に驚いたのである。
管理職でも気付くこんな初歩的なことが、「健康診断のプロを自負する」府教委がなぜチエック出来なかったのだろうか。
今回の医療ミスの一番の被害者は教職員であった。
「検査結果はおかしい!!」などの疑問を
投げかけた教職員の声で
初めて検査ミスをするずさんさ
少なくない教職員は、「要精密検査」という検診結果に驚いて異動期を前に「早めに治療を!」「早めに検査を!」と奔走して再検査を受けている。
教職員の定期健康診断の「要精密検査」(二次検診)には府高などの「無料にすべき」などの要求を受けてとめない府教委によって何らの保障はない。
すべて、「要精密検査」(二次検診)は、教職員の「自己犠牲」と「自腹」だけである。
「検査協力会」以外の医療機関で受けた教職員は、その医療機関から定期健康診断結果のデーターそのものへの疑問を投げかけられた。
そのため少なくない教職員が検査協力会の3つの検査機関に「検査結果はおかしい!!」などの疑問を投げかけ検査機関とトラブルが生じた。
そのため、検査機関が府教委と相談し、ここで初めて府教委が医療ミスへの対応を決めたというのが今回の事実経過である。
100名をこえる未再検者を放置した府教委
府教委は、定期健康診断の医療ミス問題で
①血液検査の異常ですでに精密検査した者に個人負担分を返還。(3月31日まで完了)
②当該市町、府立校あて再検査報告(4月5日から9日)
③A/G比のみ異常者は全員再検査終了した。
④再発予防のために検診協力会からの報告を6月11日に受けた。
⑤6月15日に「血液検査異常値発生と対応について」を府立学校長あて通知した。
などの経過を明らかにしている。
しかし、①の個人負担分の返却は教職員に公表されていない。
公表し、申し出た者に対する個人負担分を返還したのならまだしも公表されないまま個人負担分の返還が完了したとは言い切れないのである。
ここでも府教委の何とか解決したかのように文章上だけでも取り繕う姿が見える。
②の再検査報告がなされたのは異動が終わってからである。
府教委は、人事異動があれば、教職員は必ずしも当該校にいないという基本的なことすらも分かっていない。
③は、本質的な問題に関わる。A/G比の異常かどうかという判定にミスがあった。だから、「全員を対象とする再検査」を行ったはずである。
にも関わらずA/G比の異常のみの再検査が終了したことで問題の解決にはなっていない。
定期健康診断受信者全員の採血をやり直してこそ、再検査が完了したことになる。だが、府教委は、600名をこえる受診者のうち100名をこえる未再検者を残したままである。
この間6ヶ月間一体府教委は、再検査を受けることもできないでいる教職員に対して何をしたのかが鋭く問われる。
府教委のその責任は重い。
再検者が100名以上も残っているのに府教委は、もう次の定期健康診断をはじめるという文章を各学校に送りつけているのである。
④再発予防は、検査機関の報告を受けて終わってしまっている。
「今回のことはあってはならないこと」ではなく、
「なぜ、あってはならないことが生じたのか。」
「今後、あってはならないことが
生じないようにするにはどうするか」
こそが、再発予防できること
これでは、再び医療ミスが起こらない保障はどこにもない。府教委の保健体育課長は、
「今回のことはあってはならないこと」
とくり返して発言ているが、では
「なぜ、あってはならないことが生じたのか。」
「今後、あってはならないことが生じないようにするにはどうするか」
を明らかにすべきだろう。
あってはならないことを起こした(?)検査機関の報告だけで、あってはならないことを防げるとする府教委の態度は厳しく指弾されなければならないだろう。
府教委こそが、定期健康診断の実施者として検査機関に責任を持って主体的に「指導」する。そして医療ミスを二度と起こさない体制を作り上げるべきだろう。
そういう「指導」が出来ない理由が府教委側にあるのだろうか。
⑤については、もう言うまでもないだろう。
昨年度の定期健康診断で起きた問題を年度を越しても平然として通知する府教委の無責任ぶり。校長に通知したとしているが、校長から今回の医療ミス問題は明らかにされていない。
事態をかくして 「丸くおさめる」府教委の体質
どんなことがあっても定期健康診断の医療ミスが分かった段階で府教委は、医療ミスの原因追及とその予防、教職員へ事実を知らせ協力を求めるとともに医療ミスで生じたことへの手だて、検査機関への厳しい指導、従来すすめてきた定期健康診断の基本的見直しぐらいはせめてすべきであった。
だが、府教委のすすめたことは、全く逆な方向であった。
なぜ、府教委は、本来とらなければならない行政としての当然の処理をしなかったのか。その原因を調べれば、府教委の持つ深刻な問題が明るみに出てくる。
このことがあって、府教委は健康診断の根本的見直しを迫られる。
府高は、健康診断などの監督責任がある人事委員会に申し入れをする。が、人事委員会は、府教委から何らの報告も受けていなかったことも判明する。
教職員の訴えで 府教委と検査機関の癒着 公費の無駄使い 定期健康診断のデタラメ 根本的問題が表面化
山城貞治( みなさんへの通信 25)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか(その4) 定期健康診断について(その3)
北原先生の教職員の定期健診を学習した教職員から次のような報告が寄せられた。
なぜ 定期健康診断が「不定期」になっている
1999年1月、私は定期健康診断が「定期」になっていないことについて、管理職に質問してみた。
ところが、管理職は「定期健康診断は、現行通りでいい。ただし、諸般の都合によるが。」と言い出した。
そこで、「都合とは何かと」としつこく質問したところ、見せられたのが昨年7月13日付で教育長名による各学校長に送られた平成10年度府立学校教職員定期健康診断及びVDT健康診断の実施について(通知)である。
この通知には、検診時期について以下のようなことが書かれている。
「1 検診時期について 学校保健法施行規則第9条の規定により、6月30日までに検診を行うこととなっているが、都合により、当検診は10月中旬から1月下旬までに実施する予定である。」
どうなっている
府教委の通知は6月30日まで健康診断を
実施日程は教職員は12月2日にはじまって1月29日まで
2学期になって府教委から各学校長に送られてきた検診実施日程には、たしかに府立校の定期健康診断(市内、乙訓、山城地区)には、12月2日にはじまって1月29日の府立学校までの日程が書かれている。
健康診断実施時間をみると定時制併設校では、健康診断実施時間が勤務時間外であり、学校によって9時~11時のところと9時~12時のところがある。この違いについて管理職に問いかけてみたが、管理職も頭をひねるだけだった。
学校保健法の教職員の健康診断と言うなら
それも守られていないことが明るみに
教職員の定期健康診断は、労働安全衛生法上で行われていないとはよく言われることであるが、実際は学校保健法上でも行われていない。
学校保健法も守られてのである。
それが証拠に府教委は、学校保健法では、6月中までに実施しなければならない教職員の健康診断を「都合により」出来ないでいると告白しているのである。
人事委員会には労働安全衛生法通り
実際は学校保健法と言いながら…
府教委は、教職員の定期健康診断は労働基準法・労働安全衛生法どうり実施していると京都府人事委員会などに「報告」しておきながら、実際は学校保健法にもとづくものであり、学校保健法上も守っていないためこれまでどれだけ教職員のいのちと健康が破壊されてきたことか、と思わざるを得ないがそれは私の思いすぎなのだろうか。
裁判にまで出ている
京都府立学校の公務災害認定裁判の争点の
健康診断の「要治療の指示」とする主張の根拠はなくなる
定期健康診断及びその結果は、京都府立校の公務災害をめぐる裁判でも府教委側の医師の「医学的意見書」でその「証拠」として使われている。
すなわち
「被災職員の定期健康診断・腰痛検診では、肩凝り腰痛程度のもので、一度も要治療の指示はされていない軽度の自覚症状であり、取り立てていうほどのものとは認めがたい。
これらを総合的に判断したとき、被災職員の業務は決して加重又は過激な業務とはいえないし、劣悪な環境であったともいえない。」
と断定されているのである。
法的に行われていない
健康診断を「証拠」にするなんて
定期健康診断が法的にもやられず、しかも問題だらけなのにそのことを棚に上げて裁判で使われている。
府教委は裁判で定期健康診断を根拠として述べるならば、法を守り定期健康診断としての内容を厳守すべきではないか。
それを抜きに裁判に出すのは、教職員を「愚弄」しているといわざるを得ないだろう。
キチンとやっていない
府教委の定期健康診断後の「指示」
府教委の定期健康診断後の「指示」
そのため「要治療の指示」がどうなっているかを述べてみたい。
私が「定期健康診断」を受けた「検診結果票」には、会ったことも誰かも知らない医師名で「今回の検診の結果」の項目に「要精検」とかかれ、
「・今回の検査項目のうちの検査の結果、疾病の疑いがありますので精密検査を受け医師の指示を受けて下さい。
・今回の検査項目のうちの検査の結果が基準範囲より少しはずれていますので、次回の検査で経過をみます。必ず受検してください。
・上記以外の検査については今回は異常がありませんが、何らかの自覚症状があれば最寄りの医師と相談してください。
・自覚症状が続けば、医師の診察・指導をうけてください。」
と書かれ、(精密検査受診者用)の文章が同封されていた。
精密検査受診者用の文章には、
「精密検査については、第一次検査実施機関において受診することが原則であるが、検診機関への距離等を配慮して……それぞれ次の機関において受診することができる。」
として、7カ所の「医療機関」と各医療機関への「精密検査の実施依頼について」の文章と「精密検査結果票(今後の指導)」も同封されていた。
そして、7カ所の医療機関が「精密検査の結果と今後の指導」を一括して府教委の保健体育課保健係に送付するようになっていた。
だが、これも重大な問題をはらんでいる。
府教委がしないで医療機関などが
健康診断結果による「今後の指導」
さらに、定期健康診断後の「再検査(精密検査)が必要な教職員」への事後処置として府教委は、教職員の労働軽減や健康上の配慮や「指導」を産業医はもちろん「健康管理医」にすら委ねるのではなく、検査機関や特定の医療機関に委ね、そこからの一定の判定を府教委に報告させているが、その報告に基づく、具体的処置が府立校の教職員にどのようになされているかが明らかでない。
検査機関の担当者が データー処理
健康診断を受けて、再検査が必要とされた教職員が特定の医療機関で精密検査を受けてもそれは「本人治療」ということに終始してしまい、多くの場合は、教育という仕事を進めるために「配慮」や「考慮」などされていない。
精密検査の報告(結果)を受けた府教委は、教職員に対してどんな配慮や考慮がされているのだろうか。
精密検査を受けた私の場合は、何らの「指示」も「労働軽減」もなかった。
さらに私は、定期健康診断を受けたときの「問診票」に「現在治療中の病名」などの欄があったのできっちり記入しておいたが、「検診結果」になんら反映されていなかった。
そのため検査機関の担当者に質問してみたところ、「現在治療中の病名などの入力は、別に行うのです。」という返事だった。
現在治療中の病気があってもそれが健康診断には反映されない。
データーが「別の処」で処理されているようなのである。
プライバシー保護などが
一切ない府教委の定期健康診断
このように、教職員の定期健康診断及び精密検査などの一切のデーターは、「何のために、ダレのために」使われているのか教職員に知らされていないのが現状だろう。
健康診断で国際的に一番問題とされるプライバシー保護など府教委の定期健康診断などには一切ないとも言い切れるのではないだろうか。
そうでないと府教委が言うならば、個人のデーターは別にして、府立校全体の教職員の健康診断の結果の概要と教職員のいのちと健康を守る対策を明らかにすべきであろう。
府教委の一部や管理職が、教職員個人の健康データーを極めて乱雑に扱っているし、健康診断のデーターを目的外に「悪用」しないとも言えない。
いや、現にそのことで嫌がらせを受けたという報告も聞いている。
ただただ 驚くことが 書かれている
定期健康診断を受けた検査機関の機関紙
最近機関誌「創健」に私が定期健康診断を受けた検査機関である「京都工場保健会」の医師の記事を読んだ。
すなわち「在職死亡をなくする運動の考え方・進め方」というテーマでの古木勝也医長(工場保健会産業保健部・健康増進部)の講演内容が書かれていのだが、この中で古木医長は健康診断の事について以下のように述べている。
「前述の労働安全衛生法改正の中に『健康診断結果についての意見聴取』の条項があります。
これによると事業者は、一般健康診断、特殊健康診断の結果、所見があると診断された労働者は、その労働者の健康を保持するために必要な措置について、3ヶ月以内に産業医はその労働者が仕事が出来る状態になるのか、さらに検査をすすめる必要があるのかなどを、意見を述べなければいけないことになっています。
また意見欄が設けてありますが、現実問題として健康診断の結果だけで意見が書けるものではありません。
この場合の医師としての意見とは、
その労働者が実際に就業可能かどうか。
就業時間の制限や就業の区分についてはどうか。
作業環境について測定をしていないのなら直ち実施するようにとか、
また施設や設備の改善の必要はないのか、
ストレスの負担を取り除くようにするにはどうすればいいのかなど、
作業の方法や環境の改善意見を書いてくださいということで、この欄には精密検査を受けましょうといった健康意見を記載するものではありません。
そのためには事業場の内容、現場、働いている方のことを詳しく知る必要があります。」
健康診断の結果の欄には「精密検査を受けましょう」
といった「健康意見を記載するものではではない」
と書いている検査機関が、「精密検査を受けましょう」とは
ここに書かれている健康診断後の処置、「意見欄」について述べられていることは、私たち府立校の教職員の健康診断結果とまったく異なっている。
工場保健会の医師が述べている健康診断結果の処置が当然のことならば、府教委の委託を受けて教職員の健康診断を実施している「工場保健会」は、府教委と共に従来の教職員の健康診断方法や結果を根本的に改めるべきだろう。
もしも工場保健会側が、府教委に改善を要求しているのならそのことを明らかにするのは、検査機関としての良識だろう。
ともかく、府教委か工場保健会か、どちらに責任と原因があるのか分からないが、古木医長の述べている健康診断後の「三ヶ月以内の産業医の意見」「意見欄への就業制限や区分、作業環境、施設設備の改善意見、ストレス負担の除去」 はもちろん、産業医が「事業場の内容、現場、働いている方のことを詳しく知る」ことすら、私たち教職員にはなされていないのである。
健康診断は、いのちと健康に関わるだけに重大であると私は考えている。
この他にも、「たばこは吸っていません。の欄に○をした」のに「意見欄にたばこの吸いすぎややめましょうと書いてある。」「アルコールは一切受け付けない身体なので、アルコール類 は呑まない。の欄に○をした」のに「アルコール類は控えましょう。」ということが書いてあった。などの教職員から不満が続々寄せられていた。
このことが書かれた報告の定期健康診断、で重大な問題が生じ、検査機関と府教委は密かに事の処理を行おうとしていた。
そのことが、あとで「発覚」し、教職員の怒りは頂点に達する。
そればかりか、府教委と検査機関の癒着、公費の無駄使い、定期健康診断の根本的問題が表面化する。
2011年7月2日土曜日
健康診断と言えるのかと矛盾露呈 府立学校の定期健康診断
山城貞治(みなさんへの通信24)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか(その3) 定期健康診断について(その2)
労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」1997年9月に滋賀医科大学の北原先生に府立学校の定期健康診断についてご意見をいただいた。
その切っ掛けは、二つの府立学校の教職員からの疑問だった。
「府立学校定期健康診断」
の通知に疑問続出
1学期末に各学校では、府教委の「府立学校定期健康診断」の通知が配られていますが、府立学校のある職場ではこの診断をめぐって多くの疑問が校長に提出されています。
「定期健康診断といいながら、来年の1月末までのばすのはおかしい。それでは検診結果が出るのは2月、3月になって異動期に入る。」
「教職員の健康状況が無視されて強制異動された人も多い。なんのための健康診断か?」
「定時制の場合は、時間外に検診が行われる。行政指導で時間内に検診をするようになっているのに改善されていない。」
健診後の通知に
会ったこともない医師の名前とハンコがある
「労働安全衛生法66条では、医師による健康診断を行われなければならない、とされているのに検診の時はいつも医師がいない。
検診後の通知には、会ったこともない医師の名前が書かれて、判がつかれている。おかしいではないか。」
「検診後は、個人に通知がくるだけ。
検診結果で府教委は労働安全衛生法にもとずく労働時間の短縮や作業の変更、学校の施設設備の改善などを行ったことがあるのか。」
などなどであった。
学校でのダイオキシンなどの
有害物質排出が放置されている
1997年7月末の京都新聞に学校のゴミ焼却施設からダイオキシンなどの有害物質排出などの記事が載っていた。
ところが、2学期早々私の学校では、そのことに関係する文部省の7月23日付の「学校におけるごみの処理等について(通知)」と教育長名の通知が配られた。
私たち教職員の中で、このことでさまざまな議論が交わされている。
学校のゴミ焼却施設の問題は、「教職員の労働安全衛生入門」で細川汀先生が亀岡小学校問題ですでに指摘されている。
そればかりか、ダイオキシンの発生等さまざまな問題があることは周知のことであったから、府教委は、原則として専門の業者なりに委託して適正な方法で処理するのが筋であろうし、そのための予算を計上すべきである。
ところが、府教委や管理職が出してきた話は、有害物質の危険性に触れないばかりか、金も出さず、具体的対策を示さず、生徒や教職員の努力のみによってこの問題を解決しようというものである。
ダイオキシンなどの
有害物質に曝された教職員を放置
さらに今まで有害物質を無防備で処理してきた責任に全くふれていない、また有害物質にさらされたであろう、生徒や教職員や学校周辺の人々や環境を調査もしようとしないで「ゴミの分別」だけでことをすまそうとしている。
ここに根本的な誤りがあると言いたいし、黙ってはいられない。
ところで今回の問題での文部省の通知の中で特に気になる部分がある。
「焼却炉の取り扱いは、ごみの適切な処理及び安全管理な観点から、児童生徒に依存することなく適切な者により行うこと。」
というのがそれである。
適切な者とは誰のことを言っているのであろうか。府教委や管理職から何らの説明もないまま今まで通り教職員にそれをやらそうとしている。
本意はどうあれ、この部分は
「焼却炉の取り扱いに関して、教職員の安全衛生に関してはどうでもよい」
ということだろう。
生徒に関しては安全管理の観点から…と「危険性」を一方では書きながら、教職員にはその危険性はあてはまらないとでも言いたいようである。
教職員の労働安全衛生意識の高まりに逆行するような話が平然と出されてきている、と思う。
府教委も学校管理者もこのことに何も触れずにいるというのも変だと思う。みなさんはどう思われますか?
など特に二つの意見に対して、教職員の健康診断について専門研究者の意見を聞きたい、ぜひたのんで教えて欲しいというものであった。
そこで、この府教委の実施する「平成9(1997)年度府立学校教職員健康診断実施要綱」について、滋賀医科大学の北原照代先生からご意見をいただいた。
以下その要点を掲載する。
強調したいのは
大切な「自らの働きかた」を振り返り
改善していくきっかけ
1,健康診断の意義
成人病(最近厚生省は言い方を「生活習慣病」と変えました)をはじめとする多くの病気は、一般に年齢を重ねてくると出現率が高くなります。
健康診断により、体に生じてくる異常を早い段階で発見すれば、病気の予防に役立てることが出来ますし、初期段階の病気が見つかれば手遅れになる前に治療できます。
また、治らない病気の場合でも進行を遅らせたり合併症を予防することができ、あるいは、日頃全く自覚症状がでない病気が健康診断により発見されることもあります。
もう一つ強調したいのは、健康診断は、自らの食生活、喫煙・飲酒習慣、運動習慣、そして、働いている皆さんにとって大切な「自らの働きかた」を振り返り改善していくきっかけになります。
また、医者から結果の説明を受けるときは、「日頃気にはなっているけれど、あえて病院に行くほどのことでもない」と思うことを相談するチャンスです。検査結果の値だけに振り回されず、健康診断を上手に活用してください。
「正常範囲値」とは
あくまでも検査結果の数値を判断する目安
2,正常範囲値についての留意点 最近は、健康診断や人間ドックを受けると検査結果の一覧表が受診者に渡されるようになりました。
その内容は、検診実施機関により若干の差はありますが、受診者の検査結果値と評価(異常なし、要観察、要精検、要治療など)が並んでいて、最後に総合判定が示されるといった形式のものが多いのではないでしょうか。
自分の検査結果が正常範囲かどうか、当然気になるところですが、各項目ごとに示された「正常範囲値」とは、あくまでも検査結果の数値を判断する目安です。
血液検査、尿検査、血圧測定などは、検査当日の食事の時間や内容、気温や時刻、またその日の体調(とくに睡眠不足、前日の深酒など)により多少変化します。ですから正常値よりほんの少しはずれただけで「病気だ」と思い悩まないでください。
かといって、明らかな異常値があるのに放置するのはもちろんよくありません。
検査結果で不安や疑問に思うことは、遠慮せず医師に相談しましょう。
検診実施機関により正常範囲値は多少の差がありますが、最近は検査の精度がよくなり差も少なくなりました。
3,各検査項目の意味
(以下省略)
労働安全衛生法などの
「一般健康診断」の項目は法的最低限
労働安全衛生法・第66条第1項によると「事業者は労働者に対し、労働省令で定めるところにより、健康診断を行わなければならない」とされており、同法に基づいて行われる「一般健康診断」の項目は別表2(略)のように定められています。
これは法的に最低限に定められているもので、比較してみますと、「平成9年度府立学校教職員健康診断実施要項」では、以下のような問題点が挙げられるのではないでしょうか。
半年前の尿検査を定期健康診断で行ったとするなんて
1)身長及び体重測定は、どうなっているのか。 すべての府立学校で身長及び体重測定が行われているわけではないと聞きました。労働省告示第45号では「身長計測は25歳以上は省略可」とされていますが、太りすぎややせすぎをチェックするためには必要で、一般的な健診ではたいてい行われています。
2)健康診断の項目として、胸部レントゲン検査、喀痰検査や尿検査が、記載されていない。
聞くところによると、府立学校では、生徒の春の検診時にこれらの検査が行われているそうです。
要項によると、教職員の健康診断は、「10月中旬から1月下旬までに実施する」となっていますので、半年以上のズレが生じます。
この点、総合的な健康診断としては疑問の残るところです。
健康診断の結果は、通常、血液検査をはじめとする各種検査、問診そして診察所見を総合的に判断して、受診者にお返しします。
血液検査で腎機能を示す値が正常でも、尿検査で異常を示したら、再検査が必要です。
腎臓の病気で血液所見に異常がでるのは、かなり進行してからのことが多いのです。また、肺ガンの初期は血液検査だけでは分かりません。
胸部レントゲン検査、喀痰検査および尿検査は、
教職員の健康診断として他の検査と一緒に行うもの
もう一つの問題点としては、健康診断の意義のところで述べたような「日頃気になることを医師に相談できる機会」という観点から見ると、医師としてはアドバイスしにくい面がでてくると思います。
例えば「最近咳が続いているので心配」とか、「尿量が少なくて気になる」と相談された場合、胸部レントゲン検査や尿検査をしない診断結果からは、結局「近くの病院で検査を受けて下さい」と言うしかないのです。
以上のことから、胸部レントゲン検査、喀痰検査および尿検査は、教職員の健康診断として他の検査と一緒に行うのが望ましいと考えます。
なお、各検査の意味は以下の通りです。
胸部レントゲン検査、喀痰検査 胸部レントゲン検査、喀痰検査は、肺ガン、結核など肺の病気を発見するために重要で、基本的な検査の一つです。
尿検査 尿検査は、感染症、糖尿病、泌尿器系(腎臓、膀胱)疾患、肝臓病、子宮疾患などさまざまな病気の時に尿の異常が認められます。
簡単に検査でき、かつたくさんの情報が得られるので重要な検査の一つです。
問診や医師の診察が
ない健康診断がされている
3)問診、聴打診が行われているか不明です。 要項を見る限りは、問診や医師の診察がないということでしょうか?
健康診断において医師による診察が行われるのは当然のことで、問診や診察は「検査」でないから書かれていないだけなんでしょうか。
VDT健診には検査項目の中に「1)問診」という記載がされているのですが………
ところが、この北原先生の意見を知った府教委はびっくりしたらしい。
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