2011年4月26日火曜日

エラー・注意とする「不注意論」に子どもを巻き込む方向か   教育展望と滋賀大学教育学部窪島務氏の巨像と実像(2)

 窪島氏は、滋賀大学教育学部教授であり、NPO法人滋賀大キッズカレッジとの代表者を兼ねている。
 彼はしばしば、滋賀大キッズカレッジで得たことを基に文章を書いたり、滋賀大キッズカレッジで書いたりしている。

国立大学でなくなり
「独立法人」となった大学で

 国立大学でなくなった滋賀大学がこのようなことが出来るのも不可思議なことだが、他の旧国立大学の産学協同などを見ていると旧国立大学の変貌と旧国立大学の研究者が充分な研究が出来る時間と研究を裏付ける保障があるのかなど疑問に想うことが多々ある。さらにそれよりも旧国立大学になって逆に国に従属した研究が評価されているのではないかという危惧さえ抱く。
 窪島氏は、まさにその危惧を現してくれているようである。
 
「エラー」「注意しましょう」と曝す

今まで彼が書いてきたことについて述べたが、では彼は、LDなど読み、書き、計算困難・障害のある子どもと保護者、学校関係者に対する専門的サポートを行う「滋賀大キッズカレッジ」でどのような実践を行っているのかを垣間見たい。
 「滋賀大キッズカレッジ」のホームページを見たとたん驚かされることが多々ある。
   滋賀大キッズカレッジは、LD(学習障害)・読み書き・計算障害、多動(ADHD)、アスペルガー障害児のための教育的・発達的相談と学習指導の場です。
学習困難には、さまざまな理由による学習不振、低学力などがあります。その中の特に著しい困難で、読みや書きの基礎となっている認知的諸能力に弱さがある場合を学習障害、読み書き・計算障害といいます。
 外国語(日本では英語)に大きなつまずきが生じることもあります。
 通常の学習方法、繰り返し反復学習は、かえって有害な場合が多く見ら
 れます。
 として、 滋賀大キッズカレッジの指導法(SKCメソッド)を「安心と自尊心」に基づく読み、書き、計算の指導、としている。
 そして、書字エラーとして、画像などで子どもたちが書いたであろう文字が掲載されている。たぶん「六つ」「飲む」「光」「町」「百」などのエラーと言いたいのだろうと思われる。
 さらに、注意しましょう、として、子どもたちが書いたであろう文字が掲載されている。たぶん「雪」をこのように書いていると言うことをいいたいのであろう。


平然と子どもの気持ちを
              踏みにじる

 だが、まさにこの掲載そのものが、窪島氏の言う、
 「数秒後には忘れている子どもや, 文字や漢字がどうしても書けない子どもに短期記億に障害があり, 3つの音節までは記憶できるが, それ以上は記億できず勘に頼って行動しているなどということがある。
 そういう子どもが内心でどれほどの不安と自信のなさに耐えているかということに想いが向かずに」
を窪島氏自身が否定して、自分たちは子どもの内心の不安に対してまったく無理解であると表明していることの現れである。

なぜ 書いた子どもたちの持ちを
                 踏みにじる

 すなわち、不特定多数の人々が見るインターネットの表に、自分の書いたものが、「書字エラー」「注意しましょう」と掲載された子どもたちは自己の「内心」に「安定と自信」を持つとでも言いたいのだろうか。
 この字は間違った字です、として教室の黒板に張り出される以上に子どもの気持ちを蔑ろにして平然としている、とも言われても仕方がないだろう。


 子どもが必死で書いた「字」を
          エラー、注意しましょう、とする 

 注意したら、このような間違いをしませんよ、とホームページで主張している責任者がまさに窪島氏なのである。
 子どもたちが書いた「字」を「晒しもの」にしていないだろうか。
自分たちが研究するため撮ったであろう子どもたちの「字」をなぜあえてそのママ不特定多数に広げるのかは理解が出来ない。
 さまざまな理由で、例示するならば子どもが書いた「字」を書きうつすだけでもいいはずである。
 子どもの気持ちと言い、内面を言い、人権蹂躙を言う窪島氏が、真逆のことをしていることは、ホームページで証明されている。
 でもこれは哀しすぎることである。