真面目な教師ほどすすむ健康悪化
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」「すぐにもできる労働安全衛生九つの緊急提案」を出して次々と職場から意見が出てきたことを引き続き紹介する。
教職員の健康実態報告について、そんなにほどくはないのでは、と言う意見が出たが、真剣に教育に取り組んでいる教師ほど、健康破壊が進んでいたのは明確だった。
取り組んだ
長時間通勤と腰痛とリハビリ勤務
・大阪府との境から、八木町まで長時間通勤している先生が腰痛で9ヶ月間休んでいた。職場復帰の日をめざして「リハビリ勤務をしたい。」ということであった。
主治医の診断書には、職場復帰に備えて部分的に職場めざすことが重要である、ということなどが書かれていたので管理職に出した。
他校の前例があり、その要求が通った。
でも、それで問題が解決したわけではない。
復帰後の労働条件は、管理職の責任でもあるし、分会が取り組まなければならない、と考えている。
しかし、ひとりの問題ではなく職場全体の問題として行かなければ、と思っている。
切迫流産の可能性があるよ と
・分会員が非常に少ない職場。
切迫流産の可能性があるということで、やっと休んでいる先生がいる。
その先生はいそがしい部にいる。
一例をいうと、0時間目があって、妊娠しているのに9時まで立ちつづけ。身体の不調を訴えられていた。
結局、椅子を教室に持ち込んで授業。
その先生は、前にいた高校の前例もあって
「休めない!」
という意識が強かった。
「切迫流産の可能性があるよ。」
といわれて悩んだあげく、養護教諭や他の先生と相談した。
休むと「またさぼっている。」という先生が
「休むと職場の中で、ナマケテいるという見方が広がっている。」
と。休んだ先生を自分もそう見ていた。「だから休めない。」ということを言っていた。
「自分の体の調子が悪いのに、休めない。そういう考えで生徒に接していて、ドウナン。」
と話した。
「生徒も体が悪ければ、しっかり休め、というのだから、先生も調子が悪ければ休まんと。」
と話をして、産休にはいる前に休まれた。
休むと「またさぼっている。」という先生たちが言い出したが……
生徒も教師も管理職も
休ませて 休ませて と保健室に
・保健室には、生徒も休みに来るけれど、先生も休みに来る。
保健部におられる先生ならそのことはよく知っていると思う。
管理職も来る。
ウンウンうなって
「休ませてくれ」
と保健室にやってくる。
休養室はあるけれど、職員室から離れた北向きのじめじめした部屋。布団もない。
保健室には、養護教諭がカラカラらにしてある「きれいな布団」がある。
「先生休んだら」
と言うと
「休めない!」
という返事が返ってくる。休めない状況が学校にある。
労働安全衛生では、自分たちの置かれている状況を知って、それを変えてゆく意識が大切。
それとともに今の「多忙」をつくっている管理体制との闘いは、切っても切れない問題だ。
それとともに今の「多忙」をつくっている管理体制との闘いは、切っても切れない問題だ。
あっこはこんだけしか
うちとこは こんだけしている
・今の職場を見ていると、まず見なければならないのは、仕事が増やされていること。
なにげなくやっている仕事も、5年前、10年前と比べると非常に多くなっている。
自分でやっているように見えても、「やらされている」気がする。
でも気づかないのは、「比較の論理」。
「あっこはこんだけしかしていない。でもうちとこは、こんだけしている。」
仕事が多い、少ないなどで教師間で比較するのではなく、「しんどい」と思っていることが、教職員間でお互い、ドウ尊重しあえるか、が大切。
「あっこはこんだけしかしていない。でもうちとこは、こんだけしている。」
仕事が多い、少ないなどで教師間で比較するのではなく、「しんどい」と思っていることが、教職員間でお互い、ドウ尊重しあえるか、が大切。
みんなで考える
職場の仲間づくり 集団づくりこそ
・「多忙はナンデカ」を明らかにしつつ、お互いが団結できる職場をつくってゆかなければ。
労働安全衛生の大きな柱に「職場の仲間づくり、集団づくり、みんなで考える。」をつねに考えてゆかないとダメだ。
そうでないと、お互いの条件・立場も身体も違うのだから、違いをこえて共闘する。そこを重視してゆかなければ。
休憩時間をとれるようにしよう と言うと
6,7年前に長期病休者が、年間20人以上も続出し、教職員の中で「危機感」が広がった。
そのため、健康のことをなんとかしなければならない、ということを学校で合意。
健康問題対策会議がつくられた。そこで、休憩時間をとれるようにしようと言うことになった。
どうせとれっこない
そんなんとれるわけない
小学部では、休み時間がないまま、働きづめ。
それを月、火、木、金に休憩時間を40分とろう、と。
ところが
「そんなんとれるわけない」
「どうせとれっこない」
ということからはじまった。
そして、提案されたのは、研修時間という健康回復のための時間。会議を精選する。ということだった。
一番困難だった 学校行事の見直しを
もう一つは、行事の見直し。行事のためにおそくまで学校に残ることが続く。
ところがこの行事見直しが一番むずかしく、合意が得られなかった。
合意が得られたところから、全校いっせいに取り組んだ。
そして、「研修時間という健康回復のための時間」のはじめの頃は、病休、特休、年休を取った人がいたときに、その空いた時間に空き時間の先生が入る、ということをしていた。
おかしいことは
おかしいと感じるようになって
そして、「研修時間という健康回復のための時間」のはじめの頃は、病休、特休、年休を取った人がいたときに、その空いた時間に空き時間の先生が入る、ということをしていた。
おかしいことは
おかしいと感じるようになって
それがだんだん、おかしいとみんな考えるようになっていった。
それで、おかしいところは、管理職に言うようになった。
そして、校医に頼んで、校内巡視をしてもらったり、労働安全衛生体制のある学校への視察などや病休の先生が復帰してまた病休になることが多いので、リハビリ勤務を考えている。
「長期病休の人が、身体をだんだん慣らして職場復帰できるように」
と言ったけれど、校長は、
「今の体制にはそういうものはないから、病気を全部治して、仕事が出来るように全部なおして出てきなさい。」
と言う。
でも、現実にはそれは無理。
でも、現実にはそれは無理。
だから無理して学校に出てきて、また、病休に入られる。
今の体制でギリギリ可能な案を出しても「それは出来ない」と管理職は言う。自助努力なら認めるが……
今の体制でギリギリ可能な案を出しても「それは出来ない」と管理職は言う。自助努力なら認めるが……
健康診断結果の 作業経軽減はナシ
健康診断で異常があった人への「軽減」、検診を増やすなどの提案をしてゆきたいと考えている。
健康診断で異常があった人などは、本当は作業の軽減をしなければならないのに、府教委や管理職はやらない。
時間軽減の問題も、校長は
時間軽減の問題も、校長は
「今の範囲ではないから」
「法にないから、法の範囲で」
「法にないから、法の範囲で」
と言い、やればやるほど、健康要求を今の体制の範囲ならやって良いというようにしてくる。
労働安全衛生法にある事業者である、京都府・府教委・校長に要求して闘わないと、本当の労働安全衛生要求は勝ち取れない、と思う。
労働安全衛生法にある事業者である、京都府・府教委・校長に要求して闘わないと、本当の労働安全衛生要求は勝ち取れない、と思う。