2011年6月10日金曜日

教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために(第1次討議資料) ( その2 )



 今回の教職員の労働安全衛生問題の政策では特に以下の点を考慮しました。

系統的取り組みをすすめる
(1)教職員のいのちと健康を守るための運動の担い手は、労働者・労働組合です。とくに労働組合の組織的系統的取り組みは、この運動を大きく左右します。
 そのため政策の基本に労働組合としての基本的立場を入れました。

一致することで行動と要求
(2)労働安全衛生問題の政策は、政策が確立した時点で行動するという研究検討事項ではなく、いのちと健康という切実さから考えて、基本方向が一致できる点で行動と要求をすすめて行くことで真の実効をあげることが出来ます。

労働安全衛生用語を解りやすくする
(3)労働安全衛生問題の政策の中では、特に労働安全衛生用語を教職員の問題意識にマッチしたものとなるよう工夫するとともに、他の労働分野ですでに定着してきた労働安全衛生用語もあるので、他の労働分野との共通性を持たせるために労働安全衛生用語との併用性を持たせました。
 メンタルヘルスという問題についても、今日さまざまに解釈され使用されている言葉であるため概念の食い違いが生じるので、「教職員の精神衛生上良くないものとして……」という表現などにしてみました。

教育と医療と福祉の相互分担
(4)教職員の健康要求では、医療行政や福祉行政がすでに行政の対策として実施しているものもあり、それらをすべて教職員の学校現場で実施するように要求することが妥当かどうかの検討が必要であり、相互分担による対策も必要な部分があります。

みんなの知恵と力を練り上げて
(5)労働安全衛生の基本政策には、不十分さや十分検討出来ていない部分がありますが、教職員の職場討議を積み重ねることによってみなさんの知恵と力と行動で練り上げていくことが極めて大切になっています。

労働時間と休息問題を避けないで
(6)教職員の労働安全衛生問題の基本を考えると、たとえば労働時間と休息という主要な労働条件ひとつ取り上げても、子どもの教育と教職員の立場を統一的にとらえると言われながら、結果的に教職員の労働条件を抜きに考えられてきた傾向があります。
 今日これらの問題を回避することなく大胆に考えていくことが強く求められています。

教育現場を回り労働安全衛生点検を
(7)教職員の労働安全衛生問題を考えていくためには、労働安全衛生問題研究者と組合執行部、分会などが共同で各学校など教育現場を回り、教職員の労働安全衛生点検を行い、問題点を具体的に明らかにし、その改善策を具体的に教職員に示す取り組みが求められています。


労働組合としての基本的立場は、以下の点が求められています。


労働基本権を取り戻す
 (1)私たち教職員は、戦後憲法下で決められた労働基本権が、剥奪されてきた歴史を持つています。
 労働組合として、その労働基本権を取り戻し、労働者の権利を守る闘いをすすめることが最も必要になっています。

事業者責任と役割の明確化を
(2)労働安全衛生は、労働者の基本的権利であり、労働条件の基本であるという立場をどんな場面状況でも貫き、憲法や労働基準法や労働安全衛生法を活用し、京都府・府教委(事業者)の責任と役割を明確にしなければなりません。

長期にわたる職業病闘争に備えた担当配備
(3)職業病闘争などは、長期にわたることから、労働組合執行部や分会担当者は、系統的に担当することが大切です。
 たえず担当者を変えて、労働安全衛生の闘いを一時的な取り組みにすることなく、労働安全衛生対策委員会とともに系統的に闘いと取り組みをすすめてゆくことが大切です。
 近い将来労働組合代表の安全衛生委員が選定された場合、必ず安全衛生委員を労働安全衛生対策委員会のメンバーとして位置づけ、安全衛生委員任せや労働運動の力を抜いた安全衛生委員会にしないことは必須条件です。

組合執行部は労働安全衛生の先頭に
(4)組合執行部や書記局はその先頭に立つよう努力することが求められています。
 当面その具体的実践として、組合書記局を安全で健康で快適な労働安全衛生のモデルとして示すことが大切です。

顧問弁護士と顧問労働安全衛生研究者を
(5)現行の顧問弁護士とともに顧問労働安全衛生研究者(産業医)を創設することは大切なことです。
 しかし、職業病闘争などの場合などでは、その闘いの内容から考えても顧問弁護士以外の選定の自由を持つようにすることも必要な場合があります。

違法行為は許さない
(6)労働基準法、労働安全衛生法に違反する府教委・校長などの動きには、迅速に対応し緊急集会、真相究明集会、原因追及、告発はもちろん、教職員や社会への訴えなどのあらゆる手段を含めた運動をすすめ、教職員のいのちと健康を守る取り組みをすすめることが大切です。
 労働基準法・労働安全衛生法の解説とともに、法違反の場合、使用者側(府教委)がどんな罰則を受けるかを具体的にわかりやすく教職員に知らせ、具体的経験を反映した告発運動の手引きなども必要です。

校長、事務部長、教頭なども含むすべての教職員のために
(7)労働安全衛生問題をすべての教職員(校長、事務部長、教頭なども含む)の問題としてとらえ行動します。
 特に病気休業中の教職員には、見舞いを含めた行動を起こし、援助し、必要に応じて府教委と交渉するなどの行動と問題解決をはかることは大変大切なことです。

労働条件問題を秘密にしない
(8)労働条件に関わるすべてのことは、組合員に公開し、公正な情報を流し、組合員の意見を集約し、統一と団結の行動を起こすことが必要です。

系統的学習会の開催
(9)労働組合として労働基本権の学習会を定期的に開き、それを前提に労働基準法や労働安全衛生法に関わる労働条件問題を位置づけて教職員が系統的に学べるようにする取り組みが求められています。
 労働安全衛生問題の場合の講師は研究者や医師だけに依存するのではなく、民間企業や公務員で闘いをすすめている労働者を講師とすることも大切です。

生存権を守る資金を
(10)労働安全衛生闘争のための費用は、労働組合財政から支出しますが、組合費や闘争資金などは、教職員のいのちと健康を守る、まさに生存権の闘いの資金でもあることを組合員に知らせることが大切です。

協力協同の研究者のアドバイスの尊重
(11)教職員の労働安全衛生問題をすすめるための協力共同の関係にある研究者のアドバイスや立場を最大限尊重します。
 また研究者のすすめた調査や研究結果の言論・研究の自由を守ります。


おねがい 教育と労働安全衛生と福祉の事実は、このブログの不具合から以下のブログでも展開しておいます。
ご覧ください。
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