2011年6月21日火曜日
生徒に語っている健康のあり方が 自分たちを縛っている
山城貞治(みなさんへの通信16)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」「すぐにもできる労働安全衛生九つの緊急提案」を出して次々と職場から意見が出てきた。以下紹介する。
分・秒単位で記録しようと考えたが
・自分の仕事(労働)を分・秒単位で記録しようと考えた。
それは、障害児学校での労働実態を明らかにしようと考えたからである。
1週間を目標にはじめたが、2日も続かなかった。記録を記録を、と考えていたが、ふ、と気がつくと記入を忘れていた。
いそがしすぎて記録もメモもできないのが、私たち障害児学校の労働状況。
ビデオで私たちの教育の取り組みを追いかけ、労働状況を明らかにしなければならないくらい、時間に追われている。
自分たちの労働を客観的に見ることが出きる専門的な労働安全衛生対策の取り組みが大切ではないか。
次から次に病気になり けがするが危機感だけ
・今年度だけを考えても1ヶ月以上の病休者が16人。腰痛・けいわんが8人、婦人病2人、精神疾患関連2人、けが4人。
次から次に病気になりけがになる。
なぜそうなってゆくのかが考えられていない。
ほっといたら大変なことになるという危機感はあるけど、原因追及・対策がやられてないことを痛感している。
さらに9月から医療費の改悪があり、分会会議で話し合ったところ
「そうなんや、いままでこんなにかかってたんが、こんなんになった。」
という話が次から次に飛び出して、こんなにも多くの教職員が病院に通院していたのか、とあらためて知った。
病休で休んでいる教職員のことが「あの人は腰痛で休んでいる」という話だけで終わっている。
病状をつかんで、その人へどういう支援が出きるのか、を考えることが不十分やった、と分会役員の中で話し合えるようになってきている。
労働安全衛生せんならん
と思うけれどなにをせんならんのか
でも、あせる。労働安全衛生せんならん、と思うけれど、なにをせんならんのか。
「思いつくつくママやっていいのか」
といわれると迷う。
「労働安全衛生学習会は、むずかしすぎてよういかん。」
という教職員もいる。
困って……労働安全衛生学習の資料を何人の人が目をとうすのか、ということがある。
副委員長が、かみ砕いて説明してくれた。かみ砕いて説明してもらうとわかるんやけど労働安全衛生関係の文章はなかなか分かりにくい。
そういう中でどうしていったらいいのかの「知恵」を借りたいし、経験を出して欲しい。
大切な健康問題共通認識
・全校的な共通認識をはかるかが大切。
各学部や聴言室、事務室寄宿舎がありふだん顔を合わすことがなく、仕事の条件も違う。
ある学部で病気の人が出ても学部によって実態が違うことからくる気持が食い違いうことがある。
そのことをどう克服して、健康問題で大変な実態をそれぞれの条件は違うけれど、健康問題でどのように共通認識を持つかということが大切ではないか。
労働安全衛生対策委員会を分会で作って問題になったのは、
「熱が37度出ていても休めない」
ということがある。
それぞれが自分の教育実銭を担当しているので、
「絶対休めないんだ。」
と無理している実態がある。
教育実践と健康をどう守るのか
ストレスが非常に大きい。
それが全校のことになり切れていない。
教育実銭と絡んでいる中で健康をどう守るか、という共通理解を形成することは大変むずかしい面がある。
でも、それをやり遂げないと、と感じています。
権利の問題でおかしい、ということがあってもやってしまっている。
それから精神的疲労・ストレスの問題も、ぜひ取り上げて欲しい。
管理職との関係でも管理体制の問題でストレスが多い。
そのことが表れにくいけれど、健康破壊につながっていると思われる。
10日前に退院した先生も修学旅行の付き添い
・修学旅行の問題。北海道までは飛行機。帰りは、船にするようにということで、31時間かけて帰ってくる。
代休もないまま次の日平常授業。
無理やないか、という意見が出た。一定のつじつま合わせがされてるが。
入院していて10日前に退院した先生も修学旅行の付き添いで行くが、管理職は健康面での配慮など何も考えていない。
病気になって年休を出したも
「年休は認められない」と教頭
・神経関連の病気で休んでいた先生が、職場復帰。
でもチームを組む先生もしんどくて、疲れ切っていている。
眠れず、睡眠剤を飲んでいるとのこと。それもこれもあって複雑。
ある職務分野では、病気で出てきたり休んだりする人がある。
ある日、ある先生が病気になられて休まれた。
すると、一人の先生が一日年休を出して休んでいたら、教頭から年休が認められない、というような電話が先生の自宅にあった。
午後から学校に来ることになった。
教頭は、「ともかく、学校がしんどいので出てきてほしい」と言う。
給料日は年休認められない と管理職
・年休を出していたら、管理職から、
「今日は給料日だから出てこい。労働基準法の直接通貨で本人へ払わなければならわなければならないから年休は認められない。変更権をワシは言っている」
と言うので、労働基準監督署に聞いたら
「そんなんぜんぜん関係ない」
って。
それで校長交渉して、批判したことがある。
年休や病気の人が出ても学校がまうようにするのは、府教委、校長の責任。
セコムの防犯機器の時間をのばしてまで
・ 管理職の巧みな管理体制。そのため「自主規制」「多忙」が続出。
せんならんことが多い、だからやらんならん。そのため帰れない。
結果的に、だからだらだら残る。
セコムの防犯機器が導入されたら勤務時間が終わって早く帰れるのか、と思っていたら、防犯機器の時間をのばしていつまでも残る。
だから勤務時間が終わって帰る人を、「早く帰る」と悪く言う人がいる。
高校展があって二日間徹夜した先生がいる。11時すぎまで学校に残っているのがあたりまえのようになっている。
管理職は「帰れ」と口先だけは言う。
組合員の少ない学校ではそうなっているのではないか。
安全衛生委員会が出来たら、管理職に「勧告」出来るとか。歯止め、ブレーキがかけられるように。
教職員が「けんせい」し合っている。
長時間労働になっている現状を変えるための、早く帰るための規制は、労働安全衛生にないのか。
府高労働安全衛生政策討議資料を
みんなで「読み合わせ」
・府高労働安全衛生政策討議資料を読み合わせした。
府立校全体で、安全衛生委員会をつくってゆく、ということは良いと思う。しかし、障害児校では規模が大きいし……。
3,4年前から分会では、校務分掌に健康対策委員会をつくるよう要求し、健康対策部をつくった。
たとえば手洗い場。低く作ってあるので、かがんで洗わざるをえない。
健康上手の位置で洗えるようにしてほしい、腰痛健康診断があるが、その結果の状況を出し合って校長に言って行こうとか、今まで分会で言っていたことが校務で言えるようになった。
前は、腰痛体操は、8時半前。
今年は、8時半からしましょう、ということが健康対策委員会から提案されるようになった。
それだけではダメだけれど、いくつかやってゆかんと。
生徒に語っている健康のあり方が
自分たちを縛っている
・学校で生徒への「皆勤賞」がある。
3年間無遅刻無欠席だと表彰される。
自分もしんどい時に、「休もうかなあ」と考えるときがある。
その時、自分のやっていたことを考える。
生徒の進路のことで、「推薦状」を書いたりする時に。生徒がしんどいときに、家に帰って養生するということが大切だと分かっていても「がんばれへんか」と聞いてしまう。
自分たちが生徒に語っている健康のあり方が、自分たちを縛っているんじゃないか。そういうことをよく考える。
休んでいる生徒のことは、進路や成績の評価で難しいことがあるが、自分たち教職員が健康のことを考えないと自分も生徒も縛ってしまうことになる。
教職員の健康診断がやられるのは、授業の合間。
午前中に3コマ、4コマの授業中に血液の検査。
血圧調べてもらっている時に、ある生徒のことで呼び出しがかかる。とたんに血圧があがった。
そんな状況で教職員の健康診断がやられていて、本当に正確なことが分かるのかなあ……と思う。
退職まで20年ほどあるが
このまま働けるかどうか
新任から養護学校の教師になって18年。
退職まで20年ほどあるが、このまま働けるかどうか、を考えたらとても不安。
あと10年いや7年働けたらいいと思うくらい。
定年になって、退職することは不可能、と思うぐらいしんどいと実感している。
養護学校で働いていて定年退職して、その後も健康に老後を送れるようにしなければいけない。
今の事態は全くそうではない。
自分自身では、1年でも長く働けるようにというのが現状。
職員会議で、たびたび健康問題を発言したので「あんた分会の健康問題の担当者になって」と言われて担当者になった。
自分自身が健康でないのでやって行けるかどうかが不安だから、健康管理担当者会議というのが学校の校務にある。
その中に分会担当者として、いさんで参加した。準備をして会議に臨んだ。
管理職はクラー止めてさっさと帰るが
うだる暑さの中で教職員は
しかし、管理職には、健康問題についての考えは全くないことを感じた。
たとえば、事故で「むち打ち」になった先生に対して管理職はとても冷たい。「診断書を学校まで持ってこい」と言う。
「みんなの労働実態を出して改善できることが必要ではないか」
と言ったら
「いや違います。この健康管理担当者会議は、健康相談日の日程を決める会議なんです。」
と管理職。
言いたいことがいっぱいあったのにガックリなる、ストレスがたまる状況。
夏、部屋が暑すぎて困るのに、管理職はクーラーを止めてさっさと帰る。
教職員のその時のうだる暑さで仕事する状況など無視。
教職員が増えたことがあって、休養室が遠い遠いところになったり。
遠距離通勤で疲労がピークに
「健康機器を買ってほしい。」
「健康管理医が来てくれるなら校内巡視をしてほしい」
とか言うと、
「健康機器は校内予算がない。家にあるから持ってくる」
と管理職の解決のしかた。
学校サイド、分会サイドで解決してゆかなければならない問題があるな、と痛感した。
養護学校の平均年齢が高く、遠距離通勤が増えている。
通勤による疲労が多い。