2011年6月24日金曜日
なんで校長さんは…… こんなにまでして死んだんや
山城貞治( みなさんへの通信 18 )
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」「すぐにもできる労働安全衛生九つの緊急提案」を出して次々と職場から意見が出てきたことの一部は、再掲載した。
しかし、府高の教職員の家族の中には、他教組や組合に入っていない教職員も居たが、家族で労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」が読んでいた。
無念で死んだ校長先生の気持ちをせめて せめて
ある日、労働安全衛生委員のところに電話がかかってきた。
「私の学校の校長先生が自殺した。みんなで、校長先生が自殺したところに、せめて線香でもと思って、その場所に行きかけたんです。」
「でも、河原の木に首をくくってと聞いていたので、土手から河原に降りようとしたら、雑草と蔓などが絡まりついているので女の先生は、少し降りたところで待って、男の先生が線香を持って行かれました。」
「でも、帰ってきた先生の服は、裂けたり、ほころんだり。」
草とトゲのある灌木と蔓が巻き付いた
とても歩けない河原を歩き続けた
校長さんの気持
「どうしたの?」
と聞いたら、
「もうすごい草とトゲのある灌木と蔓が巻き付いたとことで、1mも歩くの 大変やった。校長さんは、こんなにまででしてここを歩いて、と思うと涙 が出て。」
「死ぬ気ですすんだにしても、よっぽどのことがないと進めない所を、ただ ただ歩いたんや、と思うけど。本当に進まれない所を歩いたんやと思うと、 よっぽどの言うに言われないことがあつたんやと思った。」
「辿り着いた木は、背丈ぐらいの小さな灌木。」
「なんで校長さんは、こんなにまでして死んだんや」
「みんなで、支えられなかったことが悔やまれる。」
と言い合って先生たちが泣き続けたとの話であった。
「教職員のいのちと健康」でとりあげて
校長さんも、大変な状況におかれている。
ぜひ、労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」でもそのことを取り上げて欲しい、との電話。
奥さんは、府高の組合員ではなかったけど、組合委員の夫が電話を代わって、
こんなの ほっといていいのか
「こんなん、ほっとけへん。嫁さん今も落ち込んで泣いてるけど、労働安全衛生問題違うか。こんなのほっといていいのか。」
「難しいと思うけど、新聞記事には出てないことがあるはず。教職員のいのちと健康、で取り上げて
欲しいと切々と訴えられたとのこと。
そこで、奥さんの所属する教職員組合に話を聞きに行ったら、
「この話は、うちとこの話、府高さんとは関係ないでしょ。」
「労働安全衛生ニュースに載せたかったら、どうぞ自由に」
と言われ、府高委員長とと相談した結果、テリトリーはないが、今回は新聞記事の引用と副委員長のコメントだけにしておこう、と言うことになった。
後で知ったのだが、この時、府高委員長は他の教職員組合からかなり批判をされて、苦しんでいた。
以下当時掲載した労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」は、次の通りとなった。
教職員の健康・衛生管理は
その重要性を増してきております
と言った言葉はどこへ
O月O日付「京都新聞」は、△中学校長が仕事(公務)上の問題に関わって「自殺」した旨の報道を行いました。
その報道からもこの自殺は、「公務災害」と思われる事件であり、事業者としてのOOOO市並びにOOOO市教育委員会の責任は重大です。
特に、OOOO市教育委員会このO月に
「今日、不登校問題、いじめ問題、生徒指導、学力・進路などの様々な課題が山積するもとで、日夜ご尽力いただたいてる教職員の健康・衛生管理はその重要性を増してきております」
として、
「教頭を中心として、各学校、幼稚園における健康・衛生管理体制の一層め充実・整備を図っていく」
という「労務管理」強化を進めようとしている矢先の事件として無視できない重大な問題があります。
私たちは、教頭を中心とした健康管理体制を作ろうとするOOOO市並びにOOOO市教育委員会の動きについて
「教職員の真の労働安全衛生を考えないばかりか、教職員が自らの健康問題の意見すら言えない状況をさらに『強固』にし、教職員の健康状況を一層踏みにじり、管理統制の目的として利用しようとするもので、『労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保しなければならない』などの労働安全衛生法の事業者責務を真っ向から踏みにじるものである」
と指摘したばかりです。
死亡した胎児をお腹のなかに入れたまま
新任の先生を働かせていたということを
忘れたのか
今回の校長が自らの生命を絶つという痛ましい事件を考えても、OOOO市教委の「労務管理」強化は、教職員のみならず管理職のいのちと健康を脅かすものであり、OOOO市並びにOOOO市教育委員会このような動きに対して強い怒り、を禁じ得ません。
今回増補新版として発行された『教職員の労働安全衛生入門』のなかで、細川汀氏は1990年に起きた
「OOOO市並びにOOOO市教育委員会が死亡した胎児をお腹のなかに入れたまま新任の先生を働かせていたという事件がありました」
とOOOO市並びにOOOO市教育委員会の教職員に対する非人間的な対応などに対して厳しく批判し、教職員の本当の労働安全衛生の方向を示唆されています。
そして
「大切なのは、人間のいのちと健康を守ることを教育のなかでもっとも大切にすること」
と強調されています。
生かされていない
修学旅行中に死亡したKT先生の公務災害認定
OOOO市教育委員会は、修学旅行中に死亡したKT先生の公務災害認定が1993年2月大阪高裁判決で確定したにもかかわらず、教職員のいのちと健康を守るための労働条件改善はもとより、その責任を何ら反省しないばかりか、逆に今回のような教職員のいのちと健康を踏みにじる「労務管理」を一層強化しているのは許し難いことです。