2011年6月19日日曜日

文部科学省は  十数年前から学校安全対策を検討していた



 山城貞治(みなさんへの通信12)

 労働安全衛生対策委員会の活動を急速に強めないとだめだ、労働安全衛生対策委員のみなさんにおねがいする、と府高委員長の要請を受けた労働安全衛生対策委員会は、
 (労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」)を発行し続けるが、それが後々大きな波紋と問題解決を産みだしていく。






















府教委に
安全ぬきの衛生委員会を訂正させる

 まず、労働安全衛生対策委員会ニュース「教職員のいのちと健康」NO1を紹介する。

 府教委安全ぬきの衛生委員会を訂正   - 府高執行部、府教委を鋭く追求 -  

 7月4日(金)( 注 1997年)に行われた府高の府教委交渉で、府高執行部は、教職員の健康問題を取り上げ、府教委を厳しく追及。
 特に府教委が、府議会文教委員会や京教組の府教委交渉で教職員の健康のための「衛生委員会を検討」と回答し、健康上の安全問題を「ぬき」にしている点を厳しく追及しました。

 副委員長は

「労働安全衛生法にもとづく健康診断が行われていない」
「人事委員会ですら府教委に36項目の労働基準法・労働安全衛生法違反があると指摘しているではないか」
「労働安全衛生委員会の設置や産業医などの職場巡視すら出来ていないではないか」

と府教委の責任を追及。すると府教委は、
「労安法の趣旨の方向が実現するようにしたい。」

と回答。
 府高委員長が、

「府教委は、従来から衛生委員会と回答している。なぜ『安全』をはずすのか!労働安全衛生法の基本である労働安全衛生委員会設置でいいんだな」

と府教委の教職員の安全を無視した姿勢を批判。府教委は、

「そのとおりです。」

と回答。
 書記長はすかさず

「(府高と)労働安全衛生委員会設置で詰めていくのだな」

と再確認を求めたところ、府教委から

「中身も含めてこれから詰めていく」

との回答を引き出しました。

安全対策は いのちと健康に直結する

 安全問題は、労働安全衛生法上でも
「労働者の危険を防止するための基本となる対策」
「労働災害の原因及び再発防止対策」
などに関わる重大事項で、まさに教職員のいのちと健康に関わる重要事項です。
 またそのための手だてを講じなかった場合には、厳しい罰則が決められています。
 府教委は、ひたすら「安全ぬき」の「衛生委員会設置」を言い続けていましたが、今回の府高の府教委交渉でその責任逃れが暴露され、「労働安全衛生委員会設置」を約束せざるを得なくなりました。
 府高組合員の切実な要求と労働安全衛生問題の学習と取り組みが今回の府教委回答を引き出す成果となっています。
 私たちは、引き続き教職員の労働安全衛生の具体的対策を府教委に要求してゆく必要があります。

文部科学省の動きは先んじていた

 このNO1に掲載した以下の文章は、文部科学省の方向を打ち出すものにしていたとは気がつかなかった。
 掲載した記事は、次のようなものであった。

この夏「教職員のための労働安全衛生入門」でリフレッシュ  - 文部官僚も読んだ注目の本をあなたも -

  今、全国の教職員のいのちと健康を守る上で最適な入門書は、「教職員のための労働安全衛生入門(文理閣発行)」が大きな注目を浴び読まれています。
 この本のきっかけを作ったのが京教組養護教員部。
 教職員の健康診断項目が大きく変わったことをきっかけに教職員の健康と労働を考えよう、と学習会を開き、その学習報告を自主出版しました。
 ところがこの本が全国の教職員から大評判。
 仲間の過労死や病気といった深刻な問題に解明を与えてくれるだけでなく、教育委員会と対等に闘えるテキスト見っかった。
 教職員の疲労の原因がよくわかった。
 疲れていては、いい教育ができない、ではどうすればいいのかが分かった。などの感想が寄せられてきました。
 そこで、自主出版の本を広く読んでもらうために細川汀先生、垰田和史先生の全面協力を得て大幅改定され出版されたのが「最新教職員のための労働安全入門」です。
 
文部官僚が
「最新教職員のための労働安全入門」を取り寄せ研究

 この本を文部官僚が取り寄せ研究していたことも最近分かってきました。
 彼らは、教職員の労働安全衛生入門のテキストとして「最新教職員のための労働安全入門」を無視できなくなっているのです。
 この夏、少しゆっくり出来るとき、この本を読んでみませんか?
 秋に新しい知恵と力が湧いてくると思います。

と言う記事であった。
 「この本を文部官僚が取り寄せ研究していたこと」と書いたのは、自主出版の本を広く読んでもらうために細川汀先生、垰田和史先生の全面協力を得て大幅改定され出版するため出版社に絶えず出入りしていた労働安全衛生委員が、配送担当者から
「文部省から新聞広告を見て電話があった。至急直接3冊を送って欲しいとの注文があったので送った。」
との話を聞いた。
 そこで、「文部省宛か」と聞くと
「いや なんかかなり偉いさんみたいやった。」
と言うことで、よく調べて見ると上級文部官僚宛だった。
 この時は、学校保健法と労働安全衛生法との違いを調べていたのではないか、と軽く考えられていた。

 安全対策マニュアルを出すために使われ
 学校保健法から学校保健安全法改正に

 ところが、この段階で文部科学省内部では、学校安全対策がすでに検討されており、その後相次ぐ学校安全問題にその安全対策マニュアルを出した。

 そして、「学校保健法等の一部を改正する法律(平成20年6月18日法律第73号)」によって、2009年(平成21年)4月1日、学校保健法から学校保健安全法に改正され、学校における安全管理に関する条項が加えられた。

教職員の
労働安全衛生も長いスパンで考えてこそ

 その間の資料を調べてみると、従来の学校保健法で使われた用語・文章ではなく、「最新教職員のための労働安全入門」に書かれていることとほぼ等しい用語・文章が出てくる。
 文部省では、十数年前から「学校安全対策」を検討していたことが解った。
 彼らは、単に「学校保健法と労働安全衛生法との違い」だけでなく、「学校安全対策検討」のため「最新教職員のための労働安全入門」を入手したのだ、ということが今ごろ解る。
 
 彼らは、長いスパンで考えていたのである。