2011年7月28日木曜日

子どもたちが義務教育の9年間、さらに高校、大学までの16年間にわたって、現に多くのアスベストが使用されている学校でこれを吸い続けているとしたら、10年後、20年後、肺がんの大量発生が予想されるわけで、空恐ろしい限りではありませんか、と府議が質問したのに事実無根の答弁をした府教委が


山城貞治(みなさんへの通信51)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
 政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか(その31)


 2005年8月に府教委が府立学校でアスベスト(石綿)使用状況調査をし、アスベストが見つかった個所の天井を二重にし、外気との接触を遮断する工事に順次着手した件はA高校の衛生委員会(この段階では、結局、府立校には、衛生委員会がつくられることになっていた。)で、取り上げられた。

専門家に調査させるべきだ 
素人では 分からないからよけいにこのアスベストが怖いのだ


労働者側委員から

「府教委は、アスベストなどを府立学校では一切使用していないと言っていたではないか。」
「本校でもアスベスト(石綿)使用状況調査をするのか。設計図書の点検と職員の目視による調査だけで分かるなら、見えない部分にもアスベストが使用されているはず。学校関係者に任せるのではなく専門家に調査させるべきだ。素人では、分からないからよけいにこのアスベストが怖いのだ。」
「だいたいアスベストが飛散しているかもしれない体育館に校長が入って指さし、マスコミが報道することおかしい。一切、アスベストが飛散しないように封鎖すべきだろう。」
「府教委のアスベストを塗り込めるやり方は、間違いがある。剥落したらどうするのか。特に体育館では、体育・クラブなどで激しい運動をするため普通教室以上にアスベストを大量に吸い込む危険性がある。」
「生徒や教職員・学校種辺の住民に事態を説明し、アスベストを取り除くことが第一だ。」
と指摘があったが、管理職は何も知らされていないという返事だった。

アスベストの危険性を徹底的に教職員に知らせたが

 管理職の一部には「きれいな空気を吸って、吐き出せばアスベストも出るのでは。」という意見が出たが、産業医(府教委は健康管理医という)から「いや、そんなものではありませんよ。極めて有害で深刻な問題ですよ。」との話があった。

 その後、労働者側委員が出す衛生委員会ニュースで徹底したアスベストの危険性と特徴を全教職員に知らせたが、その後、A高校でも「吹きつけアスベスト」が見つかった、と府教委がマスコミに知らせ大問題になる。

20年前に府議会でアスベスト問題が取り上げられていたのに
     それを無視しつづけた府教委


 ところが、府立学校でアスベスト問題が大問題になる20年、19年前に京都府議会でアスベスト問題がとりあげられていた事を知るのはズーッとあとであった。
 そこで、1986(昭和61)年6月京都府議会の議事録の抜粋を一部紹介する。

府会議員 次に、アスベスト、いわゆる石綿粉じん対策について質問をいたします。
私は、昨年2月定例会でもこの対策について質問をいたしました。
 この間、国会においても梅田勝前衆議院議員が対策を要求して、厚生省もやっと重い腰を上げ、本格的な調査を行うべく本年度の予算に計上いたしております。
 さらにこの間、多くの学者の研究、調査によって、私が問題にしましたとおり、アスベストを含有するヒューム管からの溶出によって上水道の水から体内に入った結果、これが胃がんの原因となっているとの研究結果が報告されるなど、一層深刻な問題となってきております。
 しかし、京都建築労働組合の対策部会の調査によれば、現在もなお多くの建築資材に含まれたまま使用されたり、労働省が「使用してはならない」としている塗装材料でも、罰則規定がないため、元請の指示によって今なおこれの吹きつけ作業が行われている事実や、清酒のろ過装置に使用されているなど、具体的には何の対策も行われていないのが実態であります。
 一部の建築資材、例えば冷暖房用の断熱材の中に含有表示されているものがあるにすぎず、私がさきの質問で指摘した危険性と新たな研究結果など、肺がんや胃がんの原因としての深刻さに比べると、その対策はまだ緒についたとさえ言えない状況です。
 すなわち、肺がんや胃がんの原因とされるアスベストは、今もなお何らの具体的規制を受けることのないままに、人々の胃を冒し、空気を汚染して充満し、蓄積され続けているわけであります。
 最近、がんによる死亡者が年々ふえ続け、しかも40代の働き盛りの人にも多発をしています。
 そこで質問いたしますが、昨年私が質問しました際・衛生部長は・環境庁が発表した大気汚染調査結果の域を出ない答弁をされましたが、私が今申し上げたとおり、危険性については一層明確になってきています。
 その後、本府独自の調査や研究対策はどうされてきたのか。 お尋ねをいたします。
 国においても今年から調査を行うわけですから、府民の健康を守り、環境対策を進めておられる所管の部長として、今後どう対処されるのか、この間の取り組みと、今後どうされるおつもりか。 また調査をされていましたら、その結果をお答えいただきたいのであります。
 
さらに教育長にお尋ねをいたします。私は昨年の質問で、アメリカの例も述べて、学校の校舎や体育館、あるいはこれらの天井や壁、廊下のPタイルなど、学校現場にこれがたくさん使用されていること。
 肺がんの場合は潜伏期間が約20年という長いものであること、また発病率が極めて高いことを指摘し、注意と改善を勧告しました。
 教育委員会は、この点について調査や改善を行ってこられたのでしょうか。
 お尋ねをいたします。
 また、新築や改築に際して、使用する資材の点検などは行われているのかどうか、お尋ねをいたします。
 子供たちが義務教育の9年間、さらに高校、大学までの16年間にわたって、現に多くのアスベストが使用されている学校でこれを吸い続けているとしたら、10年後、20年後、肺がんの大量発生が予想されるわけで、空恐ろしい限りではありませんか。
 多くの学校現場で、廊下のPタイルや壁が破れているのを見かけますが、これらの改善は即刻急がなければならないと考えますが、教育長の御所見を伺います。


府会議員の質問につき衛生部長が知事に代わって答弁

衛生部長 アスベストによる大気汚染の問題につきましては、環境庁において昭和56年から3カ年計画で各調査を行い、その結果が昨年の2月に公表されたところであります。それによりますと、一般国民にとってのリスクは小さいものの、アスベストが環境蓄積性の高い物質であり、また広範囲に使用されている等から、引き続き環境庁としては環境濃度の推移を把握することとして、昨年度から新たに継続的モニタリングを行っているところでありまして、このモニタリングに京都府も大いに協力をしてきたところであります。この結果につきましては、環境庁においてとりまとめられる予定になっておりまして、その結果に大きな関心を持って見詰めてまいりたい、このように考えております。

教育長 教育委員会の関係でありますが、アスベストにつきまして、府の教育委員会におきましては、現在学校とか廊下ではこのような材料は使用いたしておりませんが、今後関係機関の指導を得まして対応してまいりたいと思っております。