2011年7月8日金曜日
複雑にして 病気や職業病の教職員を追い込む仕組みが強められ それと闘わなくなった教職員組合のため 泣き寝入りして退職する教職員が
山城貞治(みなさんへの通信31)
「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか(その12)
(7)京都府公立学校教職員疾病審査会の全容(構成メンバーも含む)を明らかにし、今日までの取り組み状況を報告するよう要求する。同時に審査会そのものを根本的に改めるよう要求する。
当面、組合代表の審査会への参加や組合の推薦する複数の医師を入れさせる。
休職から職場復帰した教職員には、リハビリ勤務をはじめきめの細かい対策をおこうなう。なお、職場復帰やリハビリ勤務については、教職員の主治医の意見を尊重し、本人、主治医、産業医、府教委・学校、組合の合意を前提とする。
民主的、かつ能率的に処理の目的と裏腹な疾病審査会
京都府公立学校教職員疾病審査会は、「公立学校教職員(以下「教職員」という。)の結核以外の疾病に関する事務を民主的、かつ能率的に処理するために必要な内部組織を定めることを目的とする。」とされているが、
その審査会の仕事は、教職員の
(1) 休職、復職の適否および事後処置に関すること。
(2) あらたに採用しようとする者の疾病についての適否に関すること。
(3) その他保健衛生に関すること。
であるが、このことに関して実に不可解な決定がされることが多くあった。
非公開 問答無用と言ってもいいような扱い
「事務を民主的、かつ能率的に処理する」とされているが、あくまでも書類選考で
「休職が認められない教職員」さらに「休職していても職場復帰が認められない教職員」「不採用にされた人」
などなど、審査会の内容は非公開で、本人意見や本人に直接説明するなど「インフォームドコンセプト」はなかった。
なぜ主治医の意見を尊重しないで
国立・公立病院の医師証明がいるのか
また、医師の意見書や証明は主治医だけではなく、「国立・府立病院などの公立病院の医師」の意見書や証明の二つがないとされていた。
一つの例をあげると、ある開業医が出した意見書ではダメダとされた教職員が相談に行くと、その開業医は公立病院でも働いていたので、わざわざその病院に行って意見書を書いてもらった。
そうすると、同じ医師なので他の医師の意見書をもらうようにと審査会から教職員へ連絡があった。
医師も
「何のために、国立・府立病院などの公立病院の医師の意見書がいるのか解らない。」
「公立病院なら患者をひいきしない、とでも言いたいのか。」
「主治医だからこそよく患者の病状が解るのに」
と言った事例がある。
ともかく、審査会が、「休職」「復帰」「不採用」を決め、その理由や内容を本人に知らせないという問題があまりにも多すぎた。
なぜ 専門主治医の意見を尊重しないのか
「教職員の主治医の意見を尊重」するのは当然のことであるが、それすらもされていない。
そのため「休職」「復帰」が認められずに退職した教職員は少なくない。
また不採用になった人数も公表されていない。
国立・府立病院などの公立病院は
ほとんどなく 法人化しているのに
3年前に再雇用を願い出た教職員に「国立・府立病院などの公立病院」で健康診断を受けるようにと審査会から連絡があった。
そのため「国立・府立病院などの公立病院で健康診断をしている病院を教えてください。」と審査会に問い合わせたところ審査会は、答えられなかったと言う事実がある。
ほとんどが独立法人化していたことを承知しないで、審査会の規則を変えていなかったためである。
どこかの病院でも結構です、と審査会
結果的に「どこかの病院でも結構です。」という連絡がなされたが、それでは、今までの主治医と「国立・府立病院などの公立病院の医師」の二つの意見書や証明が必要だったのは、何の意味があったのか。
またそのことで「休職」「復帰」が認められずに退職、不採用になった人々のことを考えると京都府公立学校教職員疾病審査会の決めることは、府教委の意向に沿った不公正非民主的であったことが推測される。
これらの事は、改善されていない。
労働安全衛生政策を出したときより一層悪化したのに
近年、以前のように強く教職員組合が追求しなくなった
それどころか、公務災害と関わって不認定で争いになった場合や裁判で争うことになった場合に教職員は病休も認められず、休職も認められず、退職して公務災害認定を争わなければならないという深刻な状況に追い込まれる仕組みが強められている。
職業病なのに、退職で終わり。
とされる既成事実の仕組みが作られているが、これらの行政組織対応があまりにも複雑で、煩瑣であるため問題解明と改善が強められていない。
特に、この問題について、近年、教職員組合が学習・熟知して、要求したり、府教委・審査会を追求しなくなったため「泣き寝入り」する教職員は少なくない。
非常に残念である。