2011年7月17日日曜日

言うほど簡単でない 快適職場環境 一番努力してくれたのは学校事務職員だった 教師はなぜ無関心だったのだか


山城貞治(みなさんへの通信42)

「教職員の労働安全衛生問題の政策とその実現のために 第1次討議資料」の実現した事項(1997年から2006年までの約10年間)
 政策「労働安全衛生対策について」はどれだけ実現したのか(その22)

 意外だったのは、改善して欲しい、と言った教師が、改善されたことも知らないで、無反応なことが多くあったことである、と書いた。このことで不満を抱く教師は少なくないと思うが、事実そうであった。
 「改善された」目に見えるものでも、「ああ、よくなった」と言う教師は少なかった。
 このことは、府高委員長が心に刻んだ「見殺しにしているのではないか、」と言われたことと共通しているように思えてならない。

快適環境に出来るか 職員室は

 A校での改善の一部を紹介したい。

職員室の快適環境化

①イスの軽量化をはかるが、かといって軽すぎて滑りやすくならないもの。ストッパーがついているもの。
②肘付きは、必ずついているもので仕事時における腕を休める、リラックス効果がある。
などを考え暫時更新されたが、背もたれ部分が短い等まだまだ課題がある。
  Fは、教職員が座っていないスペースの写真であるが、教職員が座ると、たちまち行き来が難しいくなるなどの問題があった。Eは旧来の教頭などが使っていたイスである。

役付きは肘つき。
 役なしは肘なしという旧来の行政の伝統を受け継いだものであるが、おかしな伝統である。
 ちなみにEのイスは、重く座り心地が悪い。
 コンピュータの導入により、労働安全衛生委員は、背もたれがもっと長く、肘つきの高さ調整や机そのものの改善を求めた。
 しかし、ヨーロッパのようなコンピュータイスや机は、贅沢すぎるとの声が教師から強く出た。
 F 下方の左右に伸びるカバーは、コンピュータのランや電線が内部にある。
 狭い職員室でコードを引っかけつまずかないための安全対策として床全面に張り巡らされている。
 写真では見えないが、照明もかなり工夫され、それぞれの机にはデスク照明が配置されている。

大工事の結果の環境のよさ

 
前述した学校内を明るくする取り組みの一部は、以下の通りである。
A(校舎吹き抜け部分)・B(体育館天井)の照明灯は、非常に高い位置にあるため「球切れ」があってもすぐ球を換えることは出来ず、業者を呼んで球換えをすると足場を組んだり、クレーン車を必要としたので費用がかかるという問題があった。

 そのため球そのものを検討して省エネで、より明るい球に変更する。

 時間はかかるが、球の覆いごとワイヤーで降ろせるようにして「球切れ費用の削減」をはかることとなった。
 結果的にA・Bの照明効果は大きく、
それまである部分は明るくある部分は暗いという不均衡照明状況でがあったが、光が均一にとどく効果を生み出した。

エアコン設置できないから 大型ファンでが大好評 





 また工事の時にAの↑部分に大型ファン二機が設置された。
 Aは、吹き抜け構造になっているにもかかわらず天井には換気口がなかった。
 そのため夏期は1階、2階、3階と階段を上がる度に温度が上昇し、6月から9月にかけては熱風が籠もるとともにイス、机が高温になり、生徒の汗が机上にしたたり落ちるという状況があった。
 生徒の汗でプリントがクシャクシャになるという事がしばしばあった。

 3階の教室の部屋の温度を測ると40度程であったからどれ程暑いか想像できるだろう。
 学習する環境どころではなかったのである。
 府教委が冷房を設置する以前。
 この問題を改善するため分会役員・労働安全衛生員と事務部で話し合った結果、天井部分に換気を設備することでしのげるのではないか、ということになり、月日を経て大型ファンが設置された。
 ところがこのことを気づかない教師から、「この棟は やけに涼しいなあ」という感想が次々出されてきた。

新型インフルインザ流行時の夏場に威力発揮

 
このファンは、授業中は騒音をより少なくするためファンを停止するタイマー式で、冷房設備が全校に配置された段階でも引き続き稼働しているが、この棟の夏場の冷房による電気使用量は少なくなっている、と事務部長から報告があった。
 
さらに意外なことが、その後解った。
 新型インフルエンザが猛威をふるったとき、教室の温度がドンドンとあがった。
 そこでその後設置されたクーラーを入れることになった。
 このクーラーを入れるとき労働安全衛生対策員は「エアコンにしてほしい。巡回式のクーラーは効率がよいが、教室の空気をより汚染するだけだ。」と反対した。しかし、府教委は、エアコンを入れなかった。
 新型インフルエンザが流行しているときに教室を閉め切って、エアコンを入れるとさらに新型インフルエンザが広がる。
 そのため各教室では暑さをこらえることにしたが、大型ファンが設置が設置された棟だけは、涼しく、心地よい環境で学習できたと言うことがあった。

 夏場に新型インフルエンザの流行。環境の改善は、このようなところでも威力を発揮した。  職員室の快適環境化のためにまずイスが年次を追って更新された。